部下への指導は援助に通じる

こんにちは。
援助職のためのカウンセリング』の結い心理相談室(青森県八戸市)です。

数多いサイトの中から、当事業所の記事をご覧いただきありがとうございます。

役職について間もない頃。

「もっと◯◯さんのように動いたり、振る舞えないだろうか」

連携するチーム内で上手くフィットできていない部下に
指導の過程でつい言ってしまった言葉。

当時は、それがまずい事だという認識も持てずにおりました。
むしろ、何で余計な問題を起こすんだという怒りが根底にあったかもしれません。

それまでの人生でもほとんど発したことのない類の言葉だったので
言った自分でも何故か、いささか違和感を感じておりました。

何故か今でもそれを覚えております。

そして、もっと鮮明に覚えているのは
言った相手(部下)の反応...

悲しさと怒りを混ぜた表情...
そして、反発の言葉....

「上司に対して、相応しい反応ではない」との思いがありつつ
僕がまずいことを言ったのだということはよく分かりました。

一度、口から発した言葉は取り消せません。
取り消した所で咄嗟に出たからこそ、本音と受け取られます。

ちなみに当時の僕は
上手く行動できている例、「行動の型」を示す意図がありました。

人の「行動」には、その人の信念(思考等)が反映されております。

明確に自覚していなかったとしても、本人には本人の思いがあります。
行動の意味を尋ねれば、それなりに人は教えてくれるものです。

ところが当時の僕は
「なんで、こんなこともやれないのか」としか思えていなかった。

何なら「合わせられないあなたに問題がある」というメッセージを
言葉の内に込めていたかもしれない。

当たり前のことだけれど
自分が同じ言葉を言われたら、絶対に良い気はしない。

特に、失敗を責められている場面では。

ましてや「他者」の名前が出れば、そこに比較が生じて
違う感情が入り込みに違いありません。

僕は良かれと思って、上から「良き型」を示したつもりでしたが
相手にとっての「良き型」がそうとは限らない。

もちろん、場合によっては、「型にはまってもらう」ことも必要。
しかし、その時は少し状況が違いました。

やはり、その人の目には、どんな世界が見えているのか
何が展開して見ているのかが、大事じゃないかな。

今ではそう思えます。

クライエント中心アプローチ的な視点は指導においても役に立ちます。

結局、「頭ごなし」なままだと、その人の信念は変わらないまま。

より良い行動を促したい時には、相手の理解観を知り、どうありたいかを
一緒に丁寧に考えていくしかない。

援助・支援はチームが基本。
医療はチーム医療。援助職も一員。

チームのメンバーから援助職が頼られたり、一目置かれたら
その人だって、きっと嬉しいに違いない。

信頼される動き方ってどんなだろう?
今やれていることを活かして、次はどんなふうにするとそれに近づけるだろう?

そう言えたらば、また違った展開があったかもしれない。

上司の部下への指導は、やはり援助に通じる。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
普段使いのカウンセリング(日常の悩み事)と援助職のためのカウンセリングをご提供しております。

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