キャリアの選択を迫られる時
こんにちは。
『援助職のためのカウンセリング』の結い心理相談室(青森県八戸市)です。
数多いサイトの中から、当事業所の記事をご覧いただきありがとうございます。
今日は援助職のキャリアについて。
日本精神保健福祉士協会では以下のようなキャリアラダーを公開しております。
(実践に必要な力量を項目別・レベル(段階)別に表した体系図)
ご存知の方も多いと思います。
右端の「ステップ5」の段階にはキャリアの最終段階が示されております。
- 管理者
- スペシャリスト
- ジェネラリスト
- 教育・研究者
この中で、教育・研究者は大学等の教員に所属する場合が多いと思われます。
(現場で実践をしながらの場合もあるかも)
また、スペシャリスト・ジェネラリストについては、所属機関の機能によって自ずと役割が分かれるものの、実践現場にいる状態を指すと思われます。
個人的には、ずっと現場にいたかったな〜と思っておりました。
そして、管理者について、この場合は所属機関の援助職の部門の「管理者」という場合もありますが、援助職の部門より組織上、上位にあたる「経営幹部」となる場合と二つの類型があると思います。
これが、なかなか悩ましいのです。
医療ソーシャルワーカーだと、特に、クリニック・診療所や中小病院の場合、経験を積んだMSWは「管理者」に移行することが頻繁に見られます。
僕も、組織の偉い人に「いずれは現場を離れて、事務職として組織を担って・・・」と時折、言われたものです。ずっと援助職でいたい僕としては、率直には嫌でした。
これは個人個人によって考え方や価値観がさまざまなので、一概に良いとも悪いとも言えません。皆さんなら、どう感じますか?
僕は、先に書いたように実践現場から離れるのは、なかなかの苦渋の選択でした。僕にとっての仕事のやりがいは「クライエント」との直接のやり取りの中にあったからです。
そして、何より、自称ですが「技術者」としての誇りもあったので、腕が鈍ることや実践から離れることはアイデンティティの危機でもありました。
こういう投稿がありました。
職種は全く異なると思いますが、「昇進しない選択を取る」気持ちは何となく理解できます。
「エキスパートの職位」という言葉は良いですね。
援助職も組織内でこのような尊ばれ方がされる時代が来てほしいですね。
ちなみに僕は、「ソーシャルワーク部門の管理者」まではぎりぎり何とかやれました。
ただ、組織幹部(経営)となると、正直、モティベーションがありませんでした。自分なりに、頑張って貢献しようとも思い、いろいろ仕事にも着手したのですが、何だか心にぽっかりと穴が空いて、厳しかったというのが本音です。
もちろん、ソーシャルワーカー仲間で立派に事務長を務め上げている方を何人も知っております。直接的ではなくても、間接的に、組織全体を動かし、クライエントに貢献するという大きな視点での「援助」があるのは間違いないと思います。
ただ、それをその人が見出だせるか、によるのかな。中には辞める人もいると聞きます。
やらないまでも、明らかに嫌だと言うのなら、それもあり。
まずはやってみて、それから判断しようか、というのもあり。
組織幹部をやります、と最初から思えるのなら、それもあり。
生き方は自由です。組織には組織の論理があるので、必ずしも専門職としての生き方・筋を理解するとは限りません。
どんな生き方を貫くか。いつか選択を迫られる時が来る可能性があるので、早い内から、少しずつ考えておいて損はないと思います。
投稿者プロフィール
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青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
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