問題解決のための思考ステップ
こんにちは。
『援助職のためのカウンセリング』の結い心理相談室(青森県八戸市)です。
数多いサイトの中から、当事業所の記事をご覧いただきありがとうございます。
ソーシャルワーカーにはお馴染みの「オープンクエスチョン」「クローズドクエスチョン」。
クローズドクエスチョン(閉ざされた質問)は、「はい」「いいえ」で答える質問です。二択なので返答しやすく、物事をはっきりさせる上では便利です(三択、四択も同分類)。しかし、回答が制限されるのと、時には圧迫感を感じさせてしまう危険も秘めております。
オープンクエスチョン(開かれた質問)は、回答者が自由に答えられる質問のことを言います。
最近では、援助の世界だけでなく、ビジネスの世界でも普通に使われているようですね。そして、上記のSNSはテレビ番組の抜粋のようですが、とても大事な指摘をしております。
実際には、「質問の型」が問題なのではありません。「自分の仮説(案)」を持っていないことが問題です。もっと言えば、「自分の頭で考える」ができていない事です。
そのためクローズドクエスチョンで「仮説(案)の可否」を尋ねるに至らず、丸投げてオープンクエスチョンで訊かざるを得なくなっております。
何か問題事が起きて、その対処を自分で何も考えられていなければ、おそらく「どうするべきですか」「どうすると良いでしょうか」と訊いてしまうと思います。
しかし、この質問をされる上司の方は、辛かったりします。何故なら、一から解決方法を自分で考えて提示するのはかなりの労力を要します。
「ちょっとは、自分で考えなよ!」
そう怒りたくなることもあります。また、僕もかつてはそんな鳥の雛が口を開けて待っているような姿勢で人に訊いて注意された記憶があります。
大事なのは、やはり自分なりの解決策。それを考えることですね。
毎回、誰かが答えを教えてくれる訳ではありません。チーム等、集団で仕事に当たっているにしても、自分一人で対応しなければいけない場面はたくさんあります。
そんな時に、自分なりの考えが無い状態は、一人前とは看做されません。「自分のケツは自分で拭け」という言葉もありますが、主体的に動くことが、最低限求められると思います。もちろん、全部一人で負えという訳ではありません。
まあ、確かに、一悶着な事態が起きると、混乱はすると思います。誰だって、そうなってもおかしくはありません。
「パニクる」と、大概、思考が停止します。よく、「怒るとIQが下がるよ」と言ったりしますが、パニクった時も同じではないでしょうか。
普段冷静な人も、いつもそうとは限らず、「困りごと」はいつだって不意打ちです。まあまあ経験を積んだ年数になっても、取り乱して「どうしたら良いですか?」と言ったことは僕にもあります。
そんな時は、上司は、「まず、深呼吸しようか」といって部下を落ち着かせ、何が起きたかを順序良く、ゆっくりと説明をさせるでしょう。
ゆっくり話す内に、少しは落ち着いてきます。ここまでは「情報」の共有です。
それから、起きた出来事に対して、どんなリスク等があるのかを明らかにしていきます。さながらアセスメント過程。
その上でどう対処できるかの策を考える。プランニングです。
普通にソーシャルワークの展開をなぞるだけです。
誤解を恐れずに言えば、一悶着な事態は、誰が対応してもあまり結果は変わらないと思います。だから、どれだけ冷静になって、やれることを適切な時機(大概は「早急」)にやれるかに懸かっています。
落ち着いた者勝ちです。
そんな訳で、自分なりの仮説(対応策)を事前に携えて来てくれたら、上司としても助かります。何より、その主体的な姿勢が嬉しい。
「◯◯の事態が起きて、◯◯のリスクが予想され、それに◯◯の対応が最善と考えますがいかがでしょうか?」なんて言われたら、もう感激です。
投稿者プロフィール
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青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
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