忙しい人への声の掛け方

こんにちは。
普段使いのミカタ・カウンセリング&支援者のミカタ・カウンセリングの中田雅也です。

以前見たカロリーメイトのCM。

ある新入職員、周囲の先輩方がとても忙しそうにしていて、尋ねたくても声をかけられず、おろおろしているという場面。

経験が浅い内は分からないことだらけで、何が分からないのかさえも整理できていなくて、どう効率よく質問したら良いのかもわからない・・・そういったことを誰でも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

僕も、医療機関勤めの新人の頃、病棟に上がるのが本当に怖かったものです。

基本的に医療従事者は皆忙しくて、医師や看護師はその代表格です。

医師は組織での権威が上位にあり、看護師は大勢いる大集団、ごく少数であるソーシャルワーカーがその中に割って入っていくなんてムリムリ・・・とよくびびっておりました。

自信がないから、余計に蚊の鳴くような声で「あの・・・」と言ってしまう。

忙しく走り回っている人たちからすると「聞こえないよ、何?」と、悪気はないけれどそう返され、まずます萎縮してしまう。そんなこともあったなと懐かしく思います。

新人で、人間関係も出来上がっていない中なので、最初は大変です。

そして、すぐには「対等」にはなれません。時間をかけて、彼ら専門職から、自分が有用だと一目置かれるようになるしかありません。すぐには無理です。ちょっとずつ、ちょっとずつ積み重ねていくしかありません。

やがて強固な関係ができると
「彼に相談してみよう」
「彼ならやってくれる」
「彼が難しいというなら、きっそうなのだろう」と目に見えない信頼によって、仕事はやりやすくなります。

そうは言っても、そうなるまでが大変ですよね。

どの職種に共通すると思いますが、僕の医療ソーシャルワーカー経験でも、他職種との情報、方針のすり合わせ、いわば報告・連絡・相談は仕事の肝です。

多職種連携が基本ですから、僕の業務の部分がこけると、他の職種にも支障をきたします。だから、自分の領域の進捗が滞らないためにも、堂々と声をかけ、質問や相談等をしていかなければなりません。

ただ、声をかけたことをあからさまに嫌がられる場合もあり、これがかなり精神的に応えます。積もり積もると話しかけるのが辛くなるので、工夫が必要です。

僕がよく使っていた方法は、「○○の件について、三分、お話しさせてください」と、すぐ終わる話であることを強調しておりました。実際には三分を越す場合もありますが、一旦、「三分ならいいかな」と思わせると、延びても意外と気にされません。

「三十秒で」と言った時は「三十秒で足りるの」と笑いながら返されたので、しめたものと思い、「じゃあもうちょっとください」と微笑み返すと、相手も「じゃあ、どうぞ」と和やかに話せます。

相手の手を止めるわけですから、いかに気分良く、こちらとの話に切り替えてもらえるかが大事です。

こちら(スタディハッカー)の記事で、『「○○の件です」では不十分であり、「○○の件でご報告があるのですが〜」「○○の件で相談をさせてください」など目的地をまず伝えなければならない』と紹介されておりますが、これも有効です。

確かに、会話の目的地を告げないと、警戒される場合もあります。「悪い話かな・・・うわ〜聞きたくない」と思ってしまうことは僕にもあります。

たまに良い事柄があると、「○○の件で、喜んでもらえる報告がありますよ」と自然と笑みを浮かんだ時は、相手から「なになに、教えて」と興味津々な対応をしてもらったこともしばしばありました。こういう報告だと、立て込んでいない限り、喜んで手を止めてくれます。

結局の所、相手目線、相手の気持ちになって考えることが大事なのだと思います。

わざわざ相手の手を止めて、集中しているかもしれない作業を中断させる訳ですから、より相手に負荷を与えずに速やかに報告・連絡・相談を終え、それをする意義があったのだと伝わると最善です。

もちろん、いつもきちんとするのは大変です。それでも、普段から意識していると、ここぞという場面でそれができるようになります。

忙しい人への声の掛け方とは、相手の側になって考えると自ずと導き出されるのではないでしょうか。

相手への思いやり。それに優るものはないと思います。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
あなたのミカタ(味方となり、強みを再確認し、見方を再構成し、やり方を一緒に考える)となって、ソーシャルワーク&カウンセリングを駆使して、あなたの今ここからの歩みをお手伝いします。