支援者の安全が大事

こんにちは。
普段使いのミカタ・カウンセリング&支援者のミカタ・カウンセリング 中田雅也です。

医療ソーシャルワーカー時代の気苦労は山ほどあります。以下のSNSにある内容も、数年前も、今も、地域を問わず、変わらずにあることを感じます。

特段、個別の家族がどうこうと言うつもりはないです。
ただ、明らかに10年前、20年前よりも、人々が、患者さんが、家族が、社会全体が、どんどん余裕が無くなってきていると感じます。
それが、たまたまその場面で表面化しているに過ぎないと思います。

ご家族との面接が必要で予約を取る時、日中に時間を取ることがとても難しくなってきているのは間違いありません。おそらくはご家族自身、仕事が忙しい、休みを取りにくいなどの事情があるためです。

そのため、日中にお会いできればいい方で、夕方の時間外に、時には無理して週末に休日出勤しないと満足に面接もできないということは僕も何度かありました。但し、どこまでも合わせられる訳ではなく、無理をするほどにソーシャルワーカー自身が疲弊します。

一方、「病院に来てもらって当然」と思うと、確実に家族との気持ちにズレが生じます。

基本的に、どの業種でも過密で、人手不足で、余裕がない所は多いと思います。そこにエネルギーを割かれ、多かれ少なかれ、どのご家族も余裕を無くします。

僕も、とても忙しかった当時、そんな風に呼び出され、急な予定に「合わせて」と言われたら・・・かなり厳しかっただろうと思います。

個別の家族がどうこうというより、そのような社会情勢にあって、同じように余裕のない人が増えているというのが僕の実感です。これは医療機関と患者・家族の二者関係で解決できることではないと思います。

ソーシャルワーカーは在院日数も気にして、患者さんの意思決定を支援し、生活を具体化していく過程は、本当に難しくなっていると思います。

全般的に、生活課題も複雑化し、援助の難易度が上がってきており、もし僕が若い頃に今の世相の中でソーシャルワーカーをやっていたら、果たして務まっていただろうかと思うことがります。

このような中、ソーシャルワーカー部門全体の余裕も失われるのではないかと心配です。四六時中、緊張感に包まれていたらどこかで無理がたたることは避けられないと思います。

専門職として、自己研鑽も業務の効率化や開発も大事です。しかし、まずは自分の心理的安全を確保すること、もっと言えば安全地帯を作ることを最初に考えないといけないのかもしれません。

それでは、どうすると良いか、は安易に言えません。ただ、誰かが一方的に辛い思いをして、それが表に現れず、業務や事を遂行するのは良くないと思います。

最低限、大変さ、辛さを表出して、共有できる関係を、それに向けて組織で解決に向かえるようでないと、働くソーシャルワーカーは安心していられないと思います。それが引いてはクライエントの利益にもつながると思います。

そして、もし僕の家族がソーシャルワーカーだったら、一日、一日、とにかく無事に家に帰ってきて欲しいと思わずにはいられません。

ことさらソーシャルワーカーだけに焦点を絞る訳ではありませんが、何事も仕事は息が長く続けられることが大事です。だから、社会的にも精神的にも(もちろん、肉体的にも)働く者の安全が確保されて欲しい、そのために多少の利便性の低下があっても、それは仕方がないのではないかと思います。

この業界に挑む若い人の心の健康が保たれて欲しいと切に願います。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
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