ライフイベントの経験値

私的な話ですが、身内の引越しの手伝いをしました。

荷物の搬出と搬入作業というよりは、その段取りも含めて。

引越しの段取り

転居、引越しには、かなりの労力を要します。
必要に迫られてとは言え、なかなか骨の折れる作業です。

①転居先の住宅探し(不動産屋との相談、内見、選択、入居審査、契約、初期費用の支払い)

②引越し業者の選定

③引越し日時決定

④現在居住の借家の解約手続き

⑤荷造り、梱包

⑥新旧住宅の電気、水道、ガス等業者への連絡

⑦引越し当日

ざっと、これくらいの手順を踏みました。
僕の人生において、この作業は四、五回は経験したでしょうか。

何事も経験、物件探し

その身内は、まだ若いので、引越し自体の経験はあっても、自分が主体となって行うのは初めてです。
『周りの大人がやってくれる』という淡い期待もあったようでした。
しかし、そのような肩代わりするような対応は本人のためになりません。どうせやるなら、出来るなら、この事を通じて、人生経験を積んでもらい、経験値を上げてもらい、今後の人生においてもきっとまた経験するであろう引越しについて、学んでもらうのが一番だと僕は考えました。

『しょっちゅう、触っている、そのスマホで、不動産物件のサイトを見てごらん。たくさん載っているから。』
『敷金等、契約に関わる費用は全て家賃が基礎となり、毎月の固定費でもあるのだから、生活が苦しくならないように留意すること。』
『必ず、物件は目で見て、室内だけでなく、周囲の環境等、サイト情報に載っていない細かい情報を確認すること。』

最初は、このような助言をしました。
当然ですが、どう動くかが分かると、後は自ずと能動的に動きます。
自分なりに時系列で計画を立てて、どんどんと決めてくれました。

引っ越し業者の選定

次は、引越し業者の選定です。

『運び出す荷物がそれなりにあるのだから、身内だけでは搬入・搬出対応できないと思うなら、引越し業者の依頼を検討すること。』
『年度末に近付くにつれて、曜日によって、費用は大幅に変動するので注意。予算を決めて計画すること。』
『新居の間取りに合わせて、荷物は極力減らすこと。無駄なもの、不要なものはどんどんす処分すること。』

今時だと、不動産会社のあっせんで、業者割引を利かせてくれるようです。
ただ、それでも複数業者の見積もりは欠かせません。
値段の違いもそうですが、希望日時に予約を押さえられるかどうか、また、業者自体との相性もあります。

作業全体が進捗するにつれて、だんだんと小慣れてきて、要領良く決めてくれました。

取捨選択

新居が決まる前から、引越しは決定事項だったので、不要な家具の処分は早めにするように伝えておりました。

ただ、なかなか、物を捨てるのは、難しいようで、ぎりぎりまで迷っておりました。
僕個人は、ミニマリスト思考なので、夜逃げできる位まで(しませんが)物を軽くしたいのでワクワクします。
当然、人によりますから、押し付けず、見守りながら、『これ、新居に収納できるか、考えてみようか』と根気良く声掛けをしました。

捨てるといっても、本当に捨てる場合もあれば、いわゆるリサイクルショップで売りに出す方法もあります。
値段は・・・ですが、処分料を考えると、かなりマシです。

そして、引っ越しあるあるですが、実に大量のゴミが発生します。
こちらは、地域のゴミ処理場(リサイクルセンター)を数往復して、処分しました。
余談ですが、一気にゴミを片づけて、無くなるのは、とても爽快です。

引越し当日

引越し当日。

本人は、そわそわして落ち着かず。
僕の印象ですが、冠婚葬祭、業務で言えば大規模な行事を控えている時と同じです。
どうしても終わるまでは落ち着かないんですよね。

引っ越し業者はまさにプロです。
大型家具も、段ボール箱も実に手際よく運び出してくれます。

空っぽになった旧自宅は、入居した時の姿に戻りました。
そして、新居に一気に荷物を搬入。

荷解きが終わるまでは、自炊もままならず、意外と外食でお金がかかったりします。
また、新居での最初の就寝が、落ち着くか否か。これは環境と本人によるのでしょうね。

最も大事なのは経験値

こんなことを最近になって経験しました。
正味、支援者のような立ち位置で、本人の自立と自律を妨げないように関わりました。

実際、ソーシャルワーカーとしても、それなりの数の転居に関わってきました。
そんな経験がここでも活きたと思います。

やはり、人生何事も経験が大事だと思います。
誰かの力を借りるのは全く問題は無く、ただ、自分が主体となって取り組んで対応したということが、大きな財産になると思います。
これもひとつの、人生の課題への対処です。

いささか大袈裟かもしれませんが、若者を励まし、必要な助言をしつつ、自分で成し遂げた光景を側から見ているのは、なかなか嬉しいものです。


投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
あなたのミカタ(味方となり、強みを再確認し、見方を再構成し、やり方を一緒に考える)となって、ソーシャルワーク&カウンセリングを駆使して、あなたの今ここからの歩みをお手伝いします。