頭のメモリ
パソコンやスマホの機能のメモリがあります。
こちら(Panasonic)の例を基に簡単に説明すると、スマホやパソコンの性能は、机で仕事をする人間に例えられます。作業をする人間の頭脳はCPU(処理)、机の引き出しはSSD・HDD(記憶保存)、机の広さはメモリ(作業容量)です。
机が広いほど、たくさんの作業が同時にできます。
これは、人間そのものにもあてはまると思います。
人によると思いますが、同時作業をたくさんできる人はメモリ(作業容量)が大きいと、個人的には感じます。
『メモリ(作業容量)が大きいから良い』ということを言いたいわけではありません。その人の性質によって、得意・不得意が生じるので、自分の性質を知っておいた方が良いということが、僕の言いたいことです。
ちなみに僕は、同時の作業を行うのは著しく不得手です。
できなくはありませんが、作業の精度が低くなり、作業処理もかなり遅くなります。身近な例で言うと、家事を同時にするのは苦手です。
おそらく同時にするのが得意な人の方が少ないように個人的には思います。
また、一般的に、仕事において、個人が作業を同時に行うよりは、一つに絞ることを勧めることが多いと思います。二刀流のような業ができるのは極めて稀で、普通は「二兎を追う者は一兎をも得ず(同時に違った二つの事をしようとすれば、結局どちらも成功しない)」となることが関の山だと思います。
この「作業」には目に見える作業だけでなく、心の中の働き(作業)も含まれると思います。
例えば、考え事、心配事をしながら、業務に当たると、「心ここに有らず(心が他のことにとらわれて、当面のことに心を集中できない)」の状態となることがあると思います。
だから、集中すること、余計な心配事を減らすのは大事だと思います。
以前、家族が急に入院した時、とてもではありませんが平静ではいられず、仕事ができる精神状態には慣れませんでした。程度の差はあれ、このような経験は誰にでもあると思います。
どの程度、気を取られる事態が起きているか。
また、自分がどのくらい、そのことに気を取られやすい性質か。
こういった性質を知っておくことは大事だと思います。ちなみに、僕は、良く悪くも、集中しやすい(執着しやすい)傾向があると認識しております。
時には上手く制御できる時もあります。そして、できないこともあります。それは状況によって変動します。
このような漫画をお見かけしました。
個人的には、とても共感できます。失敗したことに気を取られ、他の作業に集中できず、違う失敗をしてしまう・・・自分を見ているような内容です。
悪循環によって自信を失ったり、酷い場合には自分を見失うことだってあるかなと、個人的には思います。
「失敗してはいけない」というプレッシャーは不要な緊張を生み、さらに失敗につながってしまうこともあります。
だからこそ、誰かに何かを伝えるときは「怒り」の感情を抑えて伝えることが円滑な関係や環境を生み、ひいては仕事のパフォーマンスを上げることにもなるとあらためて思わせてくれる漫画です。
ねとらぼ
こういった意味からも、失敗を安易にきつく叱ることは、得策ではないと思います。
指導する側からすると、なぜ失敗したのかを冷静に受け止めて、同じ失敗を繰り返さないようにしてくれればそれで良いのです。『冷静になるためにも余計なことを言わない、本人が一番失敗のことを既に受け止めているのだから』というやり方は有効だと思います。もちろん、状況と相手によりますが。
しかし、萎縮させないことは大事かと思います。
上記の漫画の状態は、僕なりの解釈ですが、気にし過ぎることで、頭のメモリが最大限に活動してしまっている状態だと思います。
だから、少し落ち着くまで、余計な指示、刺激を与えないのが賢明だと思います。結果的に、そうすることで早く落ち着きを取り戻すのだと思います。
また、時には、上司が一緒に振り返って、どうすると良いか、感情の整理も含めてお手伝いすることも有りだと思います。
こういった心の機微をこうやって漫画にしていただくことで、心の働きがどうなっているかを共有しやすく、とても役に立つ内容だと思います。
自分がどんな性質なのかを知れば、自分で自分を上手く制御してくことができるのではないかと思います。
孫氏の兵法のように『彼を知り己を知れば百戦殆からず』です。
自分を上手く活かすにも、自分の性質の把握は不可欠です。
あなたの頭のメモリは、どんな時に作業量が著しく増えますか。メモリが多いか少ないかではありません。多くても少なくても、作業を滞らせる事態は、どうやっても起き得るのです。もし、落ち込みやすい、気にしやす傾向があるなら、きっと激しくメモリを消費していることでしょう。ならば、そんな自分の性質を理解し、自分を上手く使うと良いのではないでしょうか。
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