自己投資

こんにちは。

自己投資と聞いて、どんなことを思い浮かべるでしょうか。

どの分野の専門職でも、自己研鑽(自分自身の能力や技術を鍛えて磨きをかけたり、知識を深めること)が必要だと、初任者の段階(あるいは、養成過程)から教わります。

また、専門職とは、果てしなき至高の道であり、時の流れと共に、どんな技術も知識も古くなるため、専門職として働き続ける限り(生涯)研修し続けるのが責務なのだと、僕も若い頃に教わりました。

だから、個人的には、専門職としての「自己投資」と言うと、自己研鑽を真っ先に思い浮かべます。

対人援助職(ソーシャルワーカー等)は、基本、自分自身が(業務上の)手段であり、社会資源です。

よく、「体が資本」という言い方をしますが、対人援助職は、道具を用いない故に、自分自身が商売道具だと思います。

例えば、野球選手なら、グローブやバット、スパイクなどの道具があって、日々、自分の商売道具の手入れを怠らないと思います。

(映画の中の)武士は、本当に斬るかどうかはともかく、刀を念入りに手入れをします。刃物なので、なまくら(刃物の切れ味が悪い)では話になりません。

きっと、一流とか、名人と言われるような達人なのであれば、自らの商売道具には細心の注意を払うはずです。雑に扱うのはもっての外でしょう。なぜならば、プロフェッショナルの仕事のためには、手入れをされた道具が不可欠だからです。プロならば、決してそのようなことをしないはずです。

道具の話ではありませんが、野球の大谷選手は、外食や飲酒をしないとか。商売道具としての自分の体に細心の注意を払って、手入れをしていると言うことでしょう。

「少しくらい、いいじゃないか」という誘惑が、常人なら湧いてきそうです。しかし、そこを敢えて貫徹するからこそ、結果を出すプロです。

サッカーの長谷部誠選手の著書にも、体を労わらず、飲酒習慣が目立つ選手は、何かしら怪我が多く見られたと書いてあった記憶があります。

こちらのサイト(今日も最高の1日に)に、「おすすめの自己投資10選」が載っておりました。

自己投資とは「お金と時間を、自分が成長したい方向に向けて投資すること」

(略)

  1. 仕事で結果を出すための自己投資
  2. 健康的な食事
  3. 運動
  4. 美容
  5. 趣味
  6. コーチング
  7. 市場価値を上げるスキル
  8. 資格取得 ※目的があるものに限る
  9. コミュニケーションスキル
  10. やったことのないこと
今日も最高の1日に

「1」については、時間節約のために職場の近くに住む、リモートワーク用の机やPCなどを買う、本を読むなど、小さいことから、大きなことまでを包含しているようです。

一口に自己投資と言っても、仕事にとっての自己投資なのか、人生にとっての自己投資なのかによって、優先順位は変わってくるかと思います。

それでも、上記の「5」「10」のように、人生の充実を図ることで、精神が安定し、仕事にも相乗効果が波及すると思います。

逆に、仕事が充実することで、色々なことに目を向ける余裕ができ、人生が充実することがあるでしょう。

僕が今回、言及したいのは、支援者(援助職や医療従事者等)に自己投資を意識して欲しいということ。

特に、職能にとっての自己投資と言うと、自己研鑽(研修)が真っ先に浮かぶかもしれません。しかし、心身が安定していなければ自己研鑽どころではありません。

体を休める、労わることが大事。同時に、心を休める、労わることが大事。

支援者(援助職や医療従事者等)は、自分自身が資本、商売道具。

しかし、心身が、特に心が疲弊したり、傷ついたりしておりませんか。

摩耗すれば、道具(物)でも壊れたりします。ならば、生身の体や心は、もっと敏感な訳で、労わらないでいたら、大変なことになります。

人を支える距離(物理的、心理的)にいると言うことは、時に巻き込まれ、自身も傷を負う距離にいると言うこと。高い期待、強い責任感があれば尚更です。

支えることに真剣であればあるほど、何かしら、摩擦も、衝突も起きてしまうのが常です。

同僚や、仕事以外の友人関係に、話を聞いてもらうのも一案です。ただ、人を受け止めるのは決して簡単なことではありません。支援者なら、それを一番よく分かっているはずです。

だからこそ、支援者の支援に、プロの支援者を活用するという選択肢が成立します。そのメンテナンスこそ、大事な自己投資です。

自らの商売道具(支援者にとっての自分自身)に手入れをする自己投資があることを、ぜひ知っていただけたら幸いです。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
普段使いのカウンセリング(日常の悩み事)と援助職のためのカウンセリングをご提供しております。

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