指示待ちは悪いのか

こんばんは。

十代の頃、「指示されないと動かないのではなく、自分から進んで動きなさい」とよく言われた記憶があります。

しかし、実際の社会では、進んで動こうとすると何かと差し支えがあります。

「周りの同意は得ているのか」「指示を受けたのか」

「じゃあ、どっちなの」と考えて、最も無難な、指示を待ち、それから文句を言われない範囲で動くという習性が形成されると思います。

指示を待たずに動くという理想は、思いの外、難易度が高いようです。

昔、踊る大捜査線というドラマ・映画がありましたが、根底に、官僚的な指揮系統と、自由闊達に問題解決に躍動する現場との対立が描かれていて、中間管理職が間を取り持つことも含めて、こういうことって組織の中にあるよね、と共感しながら見ていたものです。

現実場面では、よかれと思った自発的行動は「スタンドプレー」と看做されて、よく思われないことがあるので、さじ加減が本当に難しいと思います。

東洋経済オンラインの面白い記事があったので引用します。

私はその社長に、「『自分から動いてくれる人』と、『勝手に仕事を進めてしまう人』との差とは、なんですか?」と聞いてみた。

社長は考え込んでいたが、ゆっくり話し始めた。

社長:うーん、はっきりとした言葉にするのは少し難しいけれど、こちらの安心感があるか、ないかの違いかな。

著者:と言うと?

社長:指示を待たずに自分から動いてくれ、というのはもちろん条件がある。1つは与えられている権限をきちんと理解しているか。勝手に契約などされては困る。この人は権限をきちんと理解している、という安心感があれば、こちらの指示を待つ必要はない。

著者:なるほど。それはそうですね。

社長あとは、まわりの人への配慮ができる人かどうか、かな。勝手に動く、ということは人によっては反感を持つ人もいる。私がどんなに「自分から動いてくれ」と言っても、一定数は保守的な人がいるものだ。そういう人に配慮しつつやってくれるといいのだが。もめごとを起こせば、まわりからその人が孤立してしまう。それは困る。

東洋経済オンライン

管理職を経験していた側からすると、上記の社長の気持ちもよく分かります。

改めて、文字にして、望んでいる内容を見ると、なかなか高度なことを求めているとは思います。そして、現実的には、行動力と慎重さの両方を持ち合わせて、必要に応じて両方の能力を行使できる人は稀なのではないかと思います。

そこも含めて「できる人」なのかもしれませんが。

僕個人の一つの考え方ですが、物事を負(マイナス)にしないというのは、危機管理上、基本とするべきだと思います。

だから、基本は戦略的に指示を待ち、確実に行動をして、確実な結果を得ることを第一に考えて良いのではないかと思います。

そういった標準経験を積んで、前進した段階に進めると自他共に判断できるのであれば、周りの配慮もしつつ、自分の裁量を踏まえて、指示以上の行動をとってみるのは有りだと思います。

ただ、誰もができるわけではありません。また、誰もがそうあるべきとも思いません。人の能力に差異があるのは当然だからです。

そんな訳で、指示待ちは悪いことではなく、指揮系統の機能や組織秩序の土台であるとさえ思います。

無理に背伸びする必要も無く、指示以上の行動をする機会が訪れたら、その気があれば、挑んでみれば良いと思います。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
普段使いのカウンセリング(日常の悩み事)と援助職のためのカウンセリングをご提供しております。

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