ストレスへの戦略
こんにちは。
カウンセリングを営んでおりますので、カウンセリングに関わる世の中の動きは日々、ざっと情報を収集しております。
改めて、ストレスとストレス解消に関わる記事、自己肯定感を高めたり、自分を鼓舞したり、励ましたりする内容が多いことから、却って、人々の苦しさが浮き彫りになっているのではないかと思うこともあります。
生きていく上で避けられない課題に関わるストレスもあれば、不可避ではないストレスもあります。
出来るなら無用なストレスの元は解消(無くす)するのが良いのは言うまではありません。しかしながら、その見極めの難しさもそうですが、行動するにも簡単ではないことも多いからこそ悩むのだと思います。
一例を挙げれば、仕事の人間関係など。
ストレスの元を無くすのが困難であれば、別の対処法を取るしかありません。
ストレス源に対して、距離を取る、ストレスを生じさせないように何かしらストレス自体に抑制をかけるといった直接的な手段は最初に考えるべきことでしょう。
次に、自分自身のストレスへの認知への働きかけです。見方や受け取り方を変えたら軽減できるのか、例えば、そのストレスに耐えるだけの意義が見出だせるのか。
後は、ストレスを受けた自分自身をケア(手入れ)して、自分の心身状態が低下しないように維持することが対応として考えられます。睡眠環境を整えたり、マッサージに行く、精神をほぐすような音楽を聞くといったことは多くの方が実践されていると思います。
実際には、それぞれを既に実践しながらも、大変さを抱えている人々が多いのが現状なのかもしれません。
ソーシャルワークの「人と環境」の目線で言えば、「魚と池」に例えて、どんなに魚だけを強化しても、池自体の汚れ、魚に負荷がかかる構造が変わらなければ、魚が弱ってしまうのは避けられません。
もっとも、この環境への働きかけが大変であり、当事者にとっても勇気が要ることであり、また、支え手として味方が不可欠です。
何を言いたいかと言うと、魚だけをケアする内容が巷にはあふれていると思うのですが、肝心の環境を変えるのが実は手っ取り早いと思います。
このような記事(下記引用)を見つけました。
『「外国人」が指摘した「日本人だけ」がストレスをためる「意外なワケ」』という題名の記事ですが、僕は、この考え方には考えさせられ、そして、その通りだと思いました。
イタリア人女性が「ストレスはあるけど、すぐに解消するわ。その場でできる限り、ストレスがたまらないようにするから」と説明しました。中国人女性が「中国では上司に言いたいことを言えるわ。そういうオープンな雰囲気があるの。でも、日本ではそうはできないのよね」と少しつらそうに言いました。
「一番の違いは、日本人はストレスを忘れようとするのね。でも、私たちはストレスの原因を解決しようとするの。日本人は飲み会やオフ会で忘れようとするけど、それは一時的なものよ。またストレスはぶり返すわ」とイタリア人女性。
ゲンダイメディア
環境からもたらされるストレスは、「池の汚れ」に例えられ、どんなに忘れようとしても、汚れていることには変わりありません。
もちろん、文化の違いが有ると言えばそれまでですが、そもそも我慢を強いることが当たり前の社会になっているのだと思います。日本だけが昔からそうだったとは僕は思いません。
個人的に、環境を変えようと立ち上がったことが何度かありましたが、なかなか勇気が要ります。あまり経験がなかったので「自分の我がままなのでは」と、自分を疑ったことが何度もありましたが、今となっては決してそうではないと思います。
何にせよ、課題は何なのか、環境に働きかけるのか、当事者(クライアント)に働きかけるのか、どんな解決像なのか、実現可能な目標はどこなのか、どうやって行動するのか、アセスメント(系統的情報収集)に基づいてプランニング(計画)を立て、実行することが不可欠です。
小難しいことを言いましたが、要は、何もせず悩み続けるのではなく、そうかと言って向こう見ずに動くのではなく、きちんとした戦略を持ち、賢く対処するのが最善だということです。
引用した記事ついて、日本人同士だと気付かないことも、外国人の外からの視点だと気付くことが多々あるのでしょう。
僕も、組織に所属して働くという位置から離れることで、かつて組織の慣行や自分の振る舞いについて気付くことがたくさんありました。その時には決して気付けませんでした。
変えられないと思っていた自分の常識を見つめ直すと、意外と常識の外に、解決の糸口はあるかもしれないということを、頭の片隅に入れておいて損はないと思います。
また、ご縁がございましたら、当事業所として、カウンセリング(ソーシャルワーク)の枠組みでお手伝いさせていただけたら幸いです。
投稿者プロフィール
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青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
普段使いのカウンセリング(日常の悩み事)と援助職のためのカウンセリングをご提供しております。
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