自分で悟ることが大事
こんにちは。
若かりし日、指導の場面で『○○しなさい』と頭ごなしに言われるのが嫌いでした。
理由は、なぜ今のやり方を変える必要があるのか、なぜ今のやり方で上手くいかないのかについて、納得できていないからです。
頑固と言えば、頑固なのかもしれませんが、理由もわからずに新しい行動に走ると、その次にどう対応するのかが頭の中に描けず、却って混乱してしまいました。
誰だって、理由もよくわからず『○○しなさい』と言われると良い気がしません。
単に自尊心ということだけでなく、「腑に落ちる」過程がなくては、新しい行動を自分の中に組み込めないからです。
「言われて速やかに直す」という場面もあったりしますが、それは自分だけで分からないことがあって、指摘を受けることで改善していこうという前提が出来上がっているからだと思います。
なぜ直す必要があるかを、細かく説明するのが有効な場合もあります。
しかし、それでも相手の理解が得られなければ、一方通行に終わります。故に、相手が自分で悟ることが大事となります。それも、上手くいっていない、行き詰まっている、自分一人では改善しきれないという自覚が伴うことで、「聞き入れる」姿勢が出来、指導を受け入れやすくなります。
自分の状態をじっくりと理解することで、今後、同じように行き詰まった時の対応の仕方も学んでいくことと思います。
『今どんな状態か』『ここから、どうすればいいか』『一人で出来るのか、助言・指導が必要か』
こういった自己内の問いかけが大事です。
相手に何かをさせるという使役・強いるという働きかけは、見ようによっては侵襲性を伴うものです。それは、相手がそれを受け入れる条件が整うまでは、功を奏すは厳しいのではないかと思います。
侵襲とは、「侵入し襲撃すること」「医療において、生体内の恒常性を乱す可能性のある外部からの刺激。(外科手術など)」の意味です。強制力を伴う指導は、時に、相手の自我や思考の維持機能を乱すことにもなりかねません。
だから指導の場面では、安易に上意下達にするよりは、真に教えを受け入れるためにも、自分で悟るという下地が前提として必要なのだと思います。
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