簡単に成功することは良いことか
こんにちは。
昨日、紹介した記事から、もう一つの寓話を紹介します。
成功の秘訣
レポーターが銀行の頭取に尋ねた。
「あなたの成功の秘訣はなんですか?」
「二語(Two words)だ!」
「それはどのようなことですか?」
「正しい決断(Right decisions)!」
「どうやって正しい決断を下すんですか?」
「経験だ!」
「どうやって経験を積むんですか?」
「二語(Two words)だ!」
「なんでしょう?」
「間違った決断(Wrong decisions)!」(略)
ここから得られるのは、失敗を恐れるなという「ありふれた教訓」である。失敗は自己を改善していくためには避けられないステップである。スポーツで上達しようと思えば失敗は欠かせない。積極的なプレーをする人(自分の殻を破ろうとする人)が失敗する人であり、逆に積極的なプレーをしない人(自分の殻を破ろうとしない人)は失敗をしない人である。どちらが上達するかは明らかだ。
プレジデント
「失敗」についての考察は過去の記事でもしたことがありますが、基本的には「失敗」は「失敗」ではなく「成功」に至るための「過程」であると僕も思います。
また、恥をかくことを恐れずに行動することの大切は、徒然草のような古典の中にも記されており古今共通する深奥なのだと思います。
想像するのは、ピラミッドの図形です。頂きが高くなるほどに土台は広く大きく、そこに積み上げてやっと頂きが出来ます。
「頂き」を成功に見立てると、相応の失敗も含めた試行錯誤の「過程」、つまり「成功」以外の積み重ね(頂き以外の部分)が絶対に必要です。頂き以外の部分が形成されずして、頂きにはなり得ません。
そうはいっても、手際よく成功できたらどんなに楽なことかと思うことがあるのも事実です。しかし、どんなに事前に取り組み事項について調べ尽くしても、すぐの成功などやはりありません。
もし思いがけず成功したら、その成功に手応えはないかも知れません。何より、「なぜ成功できたのか」を自分でも理解できないと思われ、その成功を再現することはできないでしょう。
たくさんの試行錯誤があるから、悪手(将棋で言う、形勢を不利にする悪い一手)と妙手(意外性に富んだすぐれた一手)がある程度分かり、全容も把握できている状態になるのだと思います。
そう考えると、簡単に成功することは良いことだろうか、と思ったりもします。
簡単に成功することで、却って見落とすものがあるかもしれません。勿論、ここでは抽象的なことしか言っていないので完全に万物に適用できるものではありません。
それであれば「道中楽しむ」くらいの余裕があるのが良いかな、と思います。それすらも簡単ではないかも知れないけれども、そうやって考えること自体が、成功への道に繋がるのだと思います。
その人にとっての「成功」「成果」に至る過程には、何一つ捨てるべきものは無いと思っております。
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