虚空よく物を容る
こんにちは。
今日は大好きな徒然草の以下の箇所の解説をご紹介します。
虚空よく物を容る。(第二百三十五段)
これこそ言葉の中の言葉だ。これを口ずさんでいるといろんな情景が浮かんでくる。
部屋の中を片付けて空にしておけば、何にでも使える。が、部屋の中が、ベッドだの、テーブルだのソファなどで詰まっていたら、部屋はその用以外に使うことはできない。
同じように心に何か心配事や、考え事があって詰まっていたら、心はそれ以外の働きはできない。だが、心が完全に無の状態であれば、そこにはいかなるものでも入ることができる。
すらすら読める徒然草 中野孝次 講談社 百九十二頁から百九十三頁
住まい、間取りとしてもその通りであり、
人の心に置き換えても通じる黄金律です。
ソーシャルワーカーをしている時によく感じていた事。
自分自身が整っていないと
自分自身の環境が落ち着いていないと
自分の事を心配してばかりで、他人の話を聞く余裕を無くす。
だから、援助者として努めて余裕を持っていたい、と。
人の話を聞くには
心の中に余裕(虚空)が必要です。
他の事柄で心が占められていたら
もはや他のことが入る余地がなくなります。
「忙しい」とは「心」が「亡ぶ」と書く
時間や精神に余裕がなければ
他者や新しい出来事を受け容れる余裕は無くなります。
カウンセラーに限らず
親であったり、兄や姉だったり
上司だったり、先輩だったり
教員だったり、医師だったり
何かしら教え導く役割の方々は
他者や出来事をよく受け容れるためには心に虚空(余裕)が必要です。
千年も前の人間でも同じように認識されていた心の余裕。
それが如何に重要であるかと言う事の表れです。
今日で2022年度は終わり。
新たな年度においても大事にしたいことです。
まだ何も描かれていない真っ白なキャンバス。
虚空(余白、余裕)があるほどに自由に、いくらでも描くことができる。
都度にまっさらにできれば幸いです。
投稿者プロフィール
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青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
普段使いのカウンセリング(日常の悩み事)と援助職のためのカウンセリングをご提供しております。
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