退職代行 二
こんばんは。
昨日の記事で触れた文春オンラインの記事の二つ目が載っており、こちらもなかなか興味深かったです。
『会社はいつでも辞められるんです』の当たり前の言葉が個人的には印象です。
例えば、そこに怖い上司の顔や自分が頑張らねばという道徳律が介在するから苦しくなります。しかし、実は言ったところで雇用も契約でしかありませんから終わらせればそれまでで、それを強制的に引き止められる根拠はないはずです。
『従業員の雇用は想像以上に法律で厳重に守られている』とありますがその通りです。
昔、労働組合にも所属して執行委員をしたことがありますが、法を根拠に組織側と対等に交渉することも可能です。法治国家ですから、法令遵守は当然です。労働関係の法規は知っておいて損はないと思います。個々の組織の就業規則の上位に法令が位置するので、もし法令に反した就業規則があればそれは無効となります。
以下の図はなかなか興味深いです。
退職代行という業務が成立しうるのは、被雇用者が雇用者側とまともに話ができないか、交渉に著しい困難さを感じるからだと思います。その背景には法よりも「上司の命令」が絶対かのように位置付いていることが要因にあると思います。
聞いた話ですが、採用面接で就業規則や福利厚生に尋ねるのはあまりよろしくない、というのがあるそうです。本来であればそこが最も大事だと思いますが、雇われたくて、雇用者に睨まれたくなくて聞くに聞けない事情があるのかもしれません。
法のすごいところは、被雇用者個人を雇用者という組織等から身を守る最大の根拠になることです。知識は力です。無知は非力にさせ、言われるがままの状況に陥らせる原因となります。
世の中の被雇用者は、自分の所属機関の就業規則をどの程度に読んだことがあるでしょうか。また、内容をどの程度に把握しているでしょうか。内容が有名無実化して、職場の慣例が上位に来ていないでしょうか。慣例を打破して法規や就業規則を貫くのは、もしかしたら勇気がいることかもしれません。しかし、その勇気が新たな犠牲を減らすことにつながるかもしれません。
一方で、いろいろな業界で人手不足であるとの声も聞こえてきます。有給休暇は元より、その他の休暇等の保証もままならない状況もあるのではないかと思います。雇用者側としてもこの辺りは死活問題です。従業員側と折り合いをつける交渉が容易ではないことも知っております。個人的には管理職でもあったし、非管理職として労働組合員でもあったこともあるので、両方の事情に共感できます。それでも、何はともあれ、法令遵守が大原則です。
今回の記事でお伝えしたかったことは、自分の身を守るために法の知識を備え、理論武装して少々の困難が来てもびくともしないような力をつけることが大事ではないか、と言うことです。また雇用者側(管理職を含め)も法に知悉し、法から乖離しない組織運営を常日頃からできていることが相互に助けになると思います。
生きるためには力は不可欠です。また、その力を誰かのためにも振るえたならば幸いでしょう。
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