月の暦
こんばんは。
数ヶ月前、テレビで無人島に漂流した話をたまたま目にしました。
それは江戸時代の話で、無人島では船にできる樹木も食料も満足になく、絶望的な状況です。その無人島で数年生き延びて、同じく漂流してきた人々や漂着した材木を使って無事に島を脱出して日本にたどり着いたという結末でした。
その中で印象に残っていたのか、その漂流者は無人島で(確か)十年くらい過ごしていたものの、月日がどのくらい経っているかを正確に把握していたということです。
その理由は、当時の日本は太陰暦、つまり月の満ち欠けで一ヶ月を括っていたので、月の動きを毎日楽しみに見ていたので把握していたとのことです。
日本は今でこそ太陽暦ですが、月の満ち欠けで数える太陰暦のほうが歴史上は長かったという経緯があります。
新月から満月まで十五日(太陰暦では月の真ん中は必ず満月)、一ヶ月は二十九日と半です。そのため一年も三百六十五日ではなくて三百五十四日と少し短いです。
最近、日本の古典(方丈記、徒然草)が好きで見ているのですが、その当時の人々も同じ月の刻みを用いていて、同じ空の月を見ていたのだろうなと思うと、妙に感慨深いものがあります。
ちなみに今日は満月です。満月に近づくほどに意外なほど闇を照らすことに驚きです。
月の明かりは、古今東西、唄にも和歌にも歌にも用いられる題材です。
だから、どう、ということもないのですが空を見上げる余裕は持っていなたいものです。
また古き時代の人々と同じように月を見て風流に感じる日本人の感性が自分の中にも眠っているのだと感じます。
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