目の奥の情報
こんにちは。
クライエントが語る内容、「上手く話せているかどうか」と口にしながらも絞るように話す内容があります。
話す方は懸命です。だからこそクライエントの見えている世界に最大限の関心と敬意を払って聞きます。
ある出来事の情報、その時感じた感情、その時に起きていたこと、クライエント自身と置かれた状況に対してその出来事がどんな意味を持つのか。
クライエントの頭の中で再現されたたくさんの情景は、クライエントの言葉を通して語られます。
「その状況」を何と説明したら伝わるのか、言葉を選びながら、意味付けを施しながら、「そのこと」の説明をクライエントは試みます。
何と難しく、大変な作業をクライエントはしてくださっていることでしょうか。
ほんの少し言葉を変えたら意味合いは変わり得ます。たくさんあった情報の中から敢えてそのことを選出して、表出してくださった意味、その深さはまさに傾聴に値するもの。
話しながら、クライエントの目の奥ではたくさんの情報が巡っております。その取捨選択と要約と言語化の過程に想いを馳せると、ただ話すだけではない高次な作業の連続があります。あまり意識はされないかもしれませんが、そんな小さな高度な作業の連続、積み重ねです。
カウンセリングとは一生懸命に物事をする真剣な場であるといつも教えられます。
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