解釈の世界に

こんにちは。

ナラティブ・アプローチという支援方法があります。大雑把に言えば相手の語る「物語(narrative)」を通して解決法を見出していくものです。

ナラティブ・アプローチにおいてクライエントの言葉に耳を傾けるのは、「クライエントの言葉から、クライエントの解釈を理解するため」です。

自分のこれまでの経験上、事実情報も大事ですが事実をその人がどう解釈したかもとても大事です。

むしろ人はその解釈の世界に生きていると思うような場面をたくさん見てきました。

ナラティブ・アプローチを簡単に説明するとこのような展開を辿ります。

①ドミナントストーリー:クライエントが最初に語る主たる話、そこにはクライエントのこだわりや思い込みが語られている場合も多いため、聞き手丁寧に耳を傾ける。(ドミナント:「最も優勢な」「支配的な」の意味)

例:自分は部下に対して課題を指摘したり注意したりするのが苦手で駄目な上司だと思っている。

②問題を外在化させる:語り手の心にある問題を「自分」や「私」を切り離して客観視できるようにする

例:注意することを躊躇う上司

③質問を行う:抱えている問題や悩みに関する根本かつ具体的な原因をクライエント自らが考えられるように反省的な問いかけをする。

例:どんな内容を注意する時に苦手に感じますか。

例:いつも毎回必ず、指摘するのを躊躇ってしまうのですか。

例:躊躇う時は何を気にしているのですか。

例:うまく注意できた時はどんな状況だったのですか。

④例外的な結果を発見する:ドミナントストーリーの観点から例外的な結論を導き出す。最初のドミナントストーリーを崩しながらストーリーを再構築していく。

例:きちんと指摘できる時もあったのですね。

⑤オルタナティブ・ストーリーにする:例外的な結果から新しいストーリーを作る。最初のドミナントストーリーと代替した新たなストーリーを文字通りオルタナティブストーリーと言う。

例:部下に鋭く指摘・指導することが苦手です。しかし、上手くできることもあります。上手くできる時は相手がそれを受け止める余裕や力があると感じる時です。相手が受け止めきれなくて落ち込んだらどうしようと余計な心配をしてしまうから指摘することを躊躇うのだと思います。だから、指摘する目的やどうなって欲しいかをきちんと説明するようにすれば、より安心して指摘できると思います。

ナラティブ・アプローチの面白いところは「出来事への焦点の当て方とつなげ方が変われば物語は変わる。そして物語が変わればそれに伴う感情も変わりうる」ということです。受け止めが変わると見える世界も変わるとは何と不思議なことでしょうか。

またこのアプローチの前提には対話を重視する、対等な関係である、相手を尊重する、(聞き手はあなたのことをわからないから教えてという)無知の姿勢があります。どれもクライエントに対する慈しみに溢れていて自分は大好きです。

全ての場面、誰に対しても使えるというわけではありませんが自分の考え方の根底にあるアプローチです。

例話のように綺麗に当てはまらないこともありますが、そのエッセンスは自分の普段の実践で随所に表れているなと感じます。

ご興味のある方は、こちらのサイト(保育士ワーカー)(カオナビ)などをご参照ください。

人の心を『本』に見立ててみて、そこに書かれた解釈は上書き、更新することができて新たに物語を作っていくことができるのだと思います。

そしてそれを一人ではしきれないので、対話相手、鏡となってくれる相手が必要です。

このようなことも当事業所でさせていただきます。いつでもお声掛けください。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
あなたのミカタ(味方となり、強みを再確認し、見方を再構成し、やり方を一緒に考える)となって、ソーシャルワーク&カウンセリングを駆使して、あなたの今ここからの歩みをお手伝いします。