繊細さ

こんにちは。

カウンセリングはとても繊細な作業の連続であると思います。

まず何より自分の事柄をさらけ出すという行為自体がクライエントのある種の勇気を持った行動であり、内側にあるものを語ってくれたクライエントの思いをカウンセラーは受け取ります。その受け取る様は力強くもあり、慈愛でもあり、共感と共鳴でもあります。

クライエントはどんな思いでこれを話そうと思ったのか、もしかしたら恥ずかしい思いがあったりするかもしれない、カウンセラーがどんな風に受け止めてくれるかを緊張しながら見ていることでしょう。

心理的・実存的な接触、この接触を雰囲気で、言葉で、仕草で、間合いで相互にたくさん感じとります。

繊細とは感情や感覚が細やかなこと。繊細でなければ成立しない行為、それがカウンセリングであると思います。

強過ぎてもいけない、弱過ぎてもいけない、感受し過ぎてもいけない、鈍過ぎてもいけない。

受け止めた言葉の内容は他にどんな風に表現しうるのか、その表現の強弱と適切さ。言語と非言語を用いた確認の作業の連続。

少し話がそれますが、初めてかかる医療機関や初めてかかる健康診断の機関に行く時はちょっと緊張します。自分の症状、または体質が特別なのか、ありふれているのかはわかりません。それでも、自分を受け止めてくれるのか、自分の気にしている所を、その気持ちも含めてうまく対処してくれるかに敏感にならざるを得ません。目を見れば自分を大切にしてくれているかはすぐにわかることでしょう。

繊細さを求められる作業や場面では感じ取る力、意思等を伝える語彙力が不可欠、何よりその人の人間性が最も大事です。カウンセラーという媒体を通す以上、カウンセラーの人間性が曇っていたならば話になりません。もちろんカウンセラーも完璧な人間ではありません。それでもクライエントの世界観、性質を最大限に理解しようとする姿勢、クライエントの安全を脅かさないことは最低限に必要なことです。

繊細とは細く美しいということ。細やかな技には確かに美しさがあります。

下段に貼ったこの動画が好きです。所作の細やかさが美しく、一つ一つの骨組みが合わさって全体の形を作る様子はさながらカウンセラーがクライエントの話を聞いて全体像を描く過程にも似ていると個人的には感じます。

動画の最後で、軽いはずの羽一つが取り除かれたらあっという間に組まれてできた構造物が崩れ落ちました。この構造物は適切で、的確で、微細な均衡によって、成り立っていたことがわかります。たった一つの羽を落とす行為はカウンセラーの不用意な言葉や所作に置き換えてみると、それで全体を壊しかねないという教訓にもなるかもしれません。

とはいえ過度に気を遣い過ぎてもよろしくはありませんが、繊細の妙技がそこにはあるということをお伝えしたかったのです。

心や存在を取り扱うカウンセリングの場面は繊細の妙技の連続であるに違いありません。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
あなたのミカタ(味方となり、強みを再確認し、見方を再構成し、やり方を一緒に考える)となって、ソーシャルワーク&カウンセリングを駆使して、あなたの今ここからの歩みをお手伝いします。