怒りの場面
こんにちは。
ある店で、お客さんと店員さんが雑談しており、誰かに対する強い怒りを発しておりました。発していたのはお客さん、聞いていたのは店員さんです。
雰囲気から察するに、なじみ客と店員との雑談であって苦情を言っている場面ではないことは傍目にも伝わってきました。ただ、そのお客さんは本気に怒っている様子が窺えました。
怒りというのはある意味、自然な感情であり、自己を防衛するにおいても怒って当然の場面もあります。怒っている事柄がどのような状況で生じているのかに焦点を合わせると良いものか、怒っている当事者の内面・認知にまで切り込んでみたほうが良いのか、対処はいろいろです。
以前、いわゆる苦情も含めたどこに振り分けたら良い変わらない幅広い相談受付を担当していたことがあります。苦情を受ける場面というのは正直緊張し、対応する怖さもあります。安易に謝るのは本末転倒、起きた事実の詳細と怒っている人の心情の二つを必ず押さえなければいけません。
自分の経験則ですが、怒っている人は当然充足されるべき場面で必要が満たされずがっかりして傷ついていることが多いと感じます。それが怒りという二次的な反応に表れているのだと思います。アンガーマネージメントの言葉は十分に世に知れ渡っていると思いますがその理論は実践感覚とも一致します。
相手は傷ついているかもしれないという前提に立つと少しこちらも冷静さを保って、むしろ「何が起きたの」という姿勢でられます。相手を理解しようとする姿勢は意外に相手にも通じるものだと思います。
勿論、いろんな場面、いろんな相手、多種多様なため上記の姿勢も全ての場面に適用できるわけでもありません。中には根拠のない怒り・要望をぶつけてくる方もいるからです。支援的アプローチだけでなく時には法的アプローチの方が有効な場合もあります。有効な切り口が何かを見出すことは大事なことです。
ところでハンターハンターという漫画に「その人を知りたければ、その人が何に対して怒りを感じるかを知れ」(第一巻)という言葉が登場します。なかなかうまい言葉だなと思います。「怒り」という結果に至る背景を辿ると怒らざるを得なかった場面とその人の価値観が見えてくるからです。怒り方も含めてその人の内面が窺い知れる場面でもあります。
怒りの場面は紐解くとたくさんのことが見えてくるものです。何より速やかに解消できて平穏でいられれば一番ですね。
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