クライエントの自律のために
こんにちは。
援助職のためのカウンセリングの結い心理相談室です。
数多いサイトの中から、当事業所の記事をご覧いただきありがとうございます。
支援には距離感が大事です。
援助職は、援助職の知見の故に、クライエントのニード(支援の必要性)を、クライエントよりも先に気付きます。
しかし、だからといって先回りして、手を差し伸べることは必ずしもクライエントのためにはなりません。
課題や問題に直面した時、クライエントがどう行動するべきかを学ぶ機会を逸することは、大きな損失だったりします。
経験が浅い内は、これが読めず、分からなかったりします。
こちらのSNS投稿のご指摘はごもっともだと思います。
「失敗して反省するという貴重な経験を奪う」は僕が言った内容と同じことです。
助けが必要な場面で「どう振る舞うか」は、きちんと学習しないといけません。また、「誰かが助けてくれた」経験をしたことで、別のことでも同様に助けてもらえると甘い考えを持つ可能性があります。
「自分からヘルプを出せない人に未来はない」も大事な指摘です。「自分からヘルプを出せない」とは、自分から社会資源を動員、駆使するといった主体的姿勢が欠ける状態とも言えます。何より、自分の限界の見極めができていなかったり、無鉄砲、無計画であるという課題が隠れている場合もあります。
「課題や問題を解決するために、どうすれば良いか」と悩むことは、成長する上では不可欠な過程だったりします。
最後に、『「助けてもらって当然」という態度をとる人がいて嫌な気持ちになる』は、残念だけど、しばしばこういった方がいるのも事実です。
善意で差し伸べた手に対して、ケチをつけられたりしたら、どう感じるでしょうか。いくら仕事とはいえ、非常にがっかりします。
何より、援助者の心が、それがより善意に満ちているほど、その純粋な心は、とても傷つくのです。間違いなく、傷つきます。
「助け」は求める側と応じる側との「契約」だと思います。どちらかが一方的に求めたり、与えるものではないと思います。
こういった視点は、燃え尽きを防ぐためにも必要ではないかなと思います。
もちろんクライエントの性質や状態にもより、また、緊急場面は例外と思われるため、必ず厳守すべきというものではありません。
ただ、普通に意思疎通が図れて、合意形成(契約)が可能なクライエントならば、踏まえて良いと思います。
近すぎず、遠すぎず、時には意図的に近付き、時には意図的に遠ざかり。
目に見える状態だけではなく、クライエントの意思や意志、思いをも読み取る力が求められます。
最終的にクライエントが、自分の力で、資源を総動員しながら、人生に立ち向かっていける(自律)ことを目指して。
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