自分の身を守れ(前編)

こんにちは。
援助職のためのカウンセリングの結い心理相談室です。

数多いサイトの中から、当事業所の記事をご覧いただきありがとうございます。

40代になって、半ば確信的に思う事があります。

所属機関に無理に適応したり、または、しがみ付かなくて良い、と。

これは好き勝手にして良いという意味ではなく、「組織からの要求に必ず応じなければならない訳ではない」「できないものは、できないと言って良い」という意味です。

また、自分の尊厳を傷つけられてまで、組織に従う道理は無いという意味です。「法令遵守の範囲において、是々非々で」と言い換えても良いと思います。

ここ数年はハラスメントめいた強要的指示は社会的に排除されるようになりました。とても良いことだと思います。

もっとも、所属機関も、あからさまに「必ず指示に応じろ」とは言わないものです。しかし、言行の雰囲気が醸し出す「圧」はそう言っているに等しかったりします。

少し、厳しい話をします。

組織は自らが打ち立てた立派な「理念」を、あたかも無かったかのように振る舞います。それは往々にして、「経営(利益)方針という名目の下にかき消されます。

法律や労働に関する規定がありながら、実際には働く者の権利は、驚くほど簡単に踏みにじられたりします。

援助職も、倫理綱領という素晴らしい明文化された綱領がありますが、実際にそれを遵守している人がどれだけいるでしょうか。援助職間のハラスメントは僕が知っている限り、十数年以上前から職能団体も把握するほど深刻な実態がありました。

改定前のソーシャルワーカーのグローバル定義に「抑圧からの解放」という言葉がありましたが、ソーシャルワーカーが抑圧されたり、それに加担するようでは本末転倒です。

決して、暗い気持ちにさせたいわけでも、絶望させたいわけではありません。ただ、その現実を無視して、「明るい未来」だけを謳っても、白々しく、嘘になってしまいます。

若者たちに、何を伝えるべきか。現実を踏まえて、より正しく、より強く生きてもらうように、あまり大っぴらに語られない教訓を教えるのが大事だと考えます。

この話を踏まえて、どうこの社会(援助の世界)の荒波を乗り越えるかを現実的に考えるべきです。

現実を踏まえて、「それでどうするか」を考えるのは、ソーシャルワークの問題解決の過程そのものであり、ソーシャルワーカーへのソーシャルワークが必要だと僕は考えます。

無知なままでは、無防備に等しく、情報を得て、正しく備えられなければ、荒波に翻弄されるだけです。

何事も、危険(リスク)が想定されるなら、伝えないわけにはいきません。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
青森県八戸市を拠点に普段使いのカウンセリング(日常の悩み事)と支援者への支援(援助職のためのカウンセリング)をご提供しております。

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