僕らも助けが必要

こんにちは。
援助職のためのカウンセリングの結い心理相談室です。

数多いサイトの中から、当事業所の記事をご覧いただきありがとうございます。

MSW時代の話。

患者さん、ご家族の立場で医療従事者が来られることが結構あります。

僕の勝手な思い込みなのですが
同業者だから、ある程度、制度のことを知っていたり、ご自身の対応ができるのではないか。

そう思っていたことがありました。

あくまで個人の見解ですが
決して、医療従事者だから、落ち着いて何事も対応できるとは限らないと思います。

人間ですから
自分やご家族が疾病に見舞われれば
人並みに動揺もするし、どうして良いか分からなくなります。

かく言う僕も自分の身内が大病したり
介護が必要になった時、かなり動揺しました。

普段、支援する立場で
たくさんの事例で関わっているのに
どうしてこんなにも、心が騒ぐのか、不安で堪らないのか...。

がたがた震え、眠るにも難儀するような心境に誰だって陥るのです。

最初、そんな自分が情けないと思いました。

けれど、そんなことはないんですよね。

誰だって、自分や家族に問題が降りかかれば、めちゃくちゃ動揺するのです。

とても平穏でなんて、いられないんです。大事な人だからこそ。

むしろ、落ち着こうとしなくても良いと思います。
不安な気持ちは覆い隠しても、解決にはならないから。

昔、職場の看護師との会話。

患者さん、ご家族に関わる分にはある程度、冷静でいられるけど
いざ自分や自分の家族のこととなると、とても冷静ではいられない。

きっと、これが普通の感覚なのだと思います。

「自分の時ばかり」ということではありません。
当事者と他者とでは、隔たりはどうしても生じるのです。
むしろ、客観的、冷静だからこそ、適切に関われるとも言えます。

僕は家族の病気や介護にも
たくさん直面したと思います。

その経験を踏まえると、毎回、難しいことばかりでした。
経験則なんて、意外と頼りないのだと思い知りました。

意思決定ひとつにしても、本人や家族のメンタルケアひとつにしても。

ああ、援助職をしている僕自身も、患者家族として、支えが必要だ。

そう思い知りました。

クライエント(システム)の側
支援者の視点

両方の視点を同時に持ち、何か支援的な役割を遂行することなど、土台無理なのです。

当時、僕は援助者はスーパーマンのように振る舞えると勘違いしていたようです。

そうしなければならないと思っていた訳ではないけれど、無意識にそう思い込んでいたようです。

たとえ医療従事者でも、援助職でも
時に、いちクライエントとなる。

助けが必要な自分であることを
素直に受け入れられたら幸いです。

だって、僕も含め、皆さんはクライエントに言うではありませんが。

困った時は抱え込まないで相談して、と。

それって、実は簡単ではなかったりするんですよね。

助け、助けられ、上手に助けを活用できたら、良いと思います。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
普段使いのカウンセリング(日常の悩み事)と援助職のためのカウンセリングをご提供しております。

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