嫌われる勇気

こんにちは。
普段使いのミカタ・カウンセリング&支援者のミカタ・カウンセリングの結い心理相談室です。

「嫌われる勇気」
数年前に発行され、とても売れた本です。きっと、人々の心を打ち、時に突き刺さり、時に励ましや慰めたことでしょう。

僕も、もちろん読みました。どちらかというと、本に登場する若者の気持ちになって。

読み終わって、感動もしたし、良い本だった、繰り返し読もうと思いました。

ただ、どうしても「実践しよう」とまでの勇気は持てませんでした。ビジネス書、指南書、自己啓発ものの本を読んだ後にありがちですが、読んで良い気分になって、終わってしまう。

行動する、実践する、自分のものにする...意外と難しいものですね。

僕の仕事における対人関係は、八方美人的でした。

揉め事が嫌いだったし、他人の負の感情に触れるのが怖かったし、表面的に無難に終えることが僕の至上命題だったと思います。

だから、自然と調整、緩衝、上手く事を収める術を自ずと身につけていったと思います。

それは、それで良い事だったのですが、どんなに相手の感情に配慮したり、こちらがへり下ったり、どんなに尽くしても、良い結果になる所か、ひたすら僕の時間とエネルギーが消耗するだけの相手というのがおりました。

つまり、会う度に、必死に自分が尽くさないと、収拾がつかなくなる相手がおりました。たまに会う相手だから仕方がないと思ったのが間違いでした。

ある時、僕は「それ」の対応をやめました。(是々非々の姿勢を貫いた)

そうしたら、あからさまに僕を敵視というか、嫌い始めました。僕は心底、がっかりしました。

これまでの「尽くしてきた時間」は何だったのかと。

「嫌われる」ことに不慣れな僕は、仕方がないし、自分に非がある訳ではない、と頭では分かりながらも、心はすっきりしませんでした。

「頭で分かる」程度では、残念ながら、これまでの習慣が優ってしまいます。当たり前のことですが、当時はそうは思えなくて、やはり今まで通りの対応が良かったのでは...と思ったりもしました。

ある時、その相手から解放されたことに喜んでいる自分がいることに気付きました。

この解放感は、間違いなく、嫌われる事を恐れるとは、両立しない気持ちだったと分かります。

僕は、本当は、あんなにも八方美人的に尽くす(過ぎた)ことはしたくなかったのだと、やっと自分の本心に気付けました。

自分が応えられる範囲で、自分が応えても良いと思える範囲なら、相手の課題を覆い隠さない程度なら、そして、僕の課題(臆病、保身)を覆い隠さない程度なら、尽くすのもありだと思います。

しかし、度を超すなら、その限りではありません。今となっては、最初が肝心だったな、と思います。最初からズレていたのは僕だったのです。

無理する関係は、不毛であり、長続きし得ないのなら、最初から結ばないのも大事です。

嫌われる勇気。

「自分が自分である自由」を得ていくためには、必要な犠牲が必ずあって、すべては選択なのだと分かりました。

新しい考えを腑に落とすには、行動に反映できるほどに体現する必要があります。

大変だったけれど、挑んで良かったという話です。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
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