戦友

戦友。

① 戦場でともに戦った仲間。同じ部隊に属している同僚。
② (比喩的に)つらい仕事をともにした仲間。

スーパー大辞林

辞典によって、表現が異なりますが、②の意味の「戦友」とは、良いものだと思います。

人間、大変な場面では嘘をつけません。
取り繕う余裕も無い程に必死になります。
露わとなったその人の本性が、怒りっぽかったり、臆病だったり、保身を図ったり、いろいろな表情を見せると思います。

しかし、大変でもやらなくてはならない仕事を前にして、逃げ出すのか、それとも真正面から立ち向かうのかは大きな違いです。
勇気とは、自分の弱さを認めながらも、前に進むこと、
時に、大変な場面は、そこに居る者たちの勇気を垣間見る場面でもあります。

僕がソーシャルワーカーに成り立ての頃、毎日が必死でした。
上司が、僕ともう一人の新人ソーシャルワーカーを指導しながらの日々だったので、その上司も大変だったと思います。

ある時、その上司が産休入りすることになりました。
僕と同じ新人ソーシャルワーカー二人が、ソーシャルワーク部門を守っていくことになりました。
僕らに務まるのか、始まる前はそんな不安がよく過りました。

実際に上司が不在となってからは、嵐のような日々でした。
僕は、情けないけれど、本心では、難しいケースが来ないでくれと思うような日々。

もう一人のソーシャルワーカーは、決して器用ではなかったけれど、それでもケースに実直に向き合い続ける人でした。
「根性あるな」と、いつしか、敬意を持つようになっていきました。
それを見て、僕も、逃げ腰でいてはいけないと自分を奮い立たせました。

上司が復帰するまでの一年間。
長いようで、あっという間でした。

それから数年を経て、「戦友だと思っている」と言われました。
照れ臭くて、何と返事をしたかを忘れてしまいましたが、照れ臭かったのは嬉しかったから。
僕のような者でも「戦友」と言ってくれるのか、と。

君のほうこそ、戦友だよと思いました。
僕は、実は、臆病だから、本音では、苦しいと逃げ出したくなる。
けれど、君は一切逃げずに立ち向かった。時に涙を見せたこともあったかもしれないけれど、「根性がある奴」。

そこから、更に時を経て
何人かの戦友と、大変な仕事を一緒にしました。

共に高め合えるような、一緒に支え合えるような戦友とは貴重です。
そうそう、そのような場面も、本気で認め合える相手も、簡単に出会うことはできません。

戦友との出会いも、実は貴重な体験。
今の時代の実践現場では、もしかすると、そのなことを意識する余裕がない程かもしれません。

戦友や仲間を、殊更に美化したり、強調したり、勧めたいわけではないけれど
あの時、確かに僕を支え、高めてくれたのは戦友や仲間だったと思います。

いつも戦友が仲間がいるとは限らない。
それでも、戦友や仲間が居ることの強みも知っておくと、きっと人生の役に立つと思う。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
あなたのミカタ(味方となり、強みを再確認し、見方を再構成し、やり方を一緒に考える)となって、ソーシャルワーク&カウンセリングを駆使して、あなたの今ここからの歩みをお手伝いします。