退職の心構え

こちらのサイト(転職参謀)によると、転職経験者は56.6%だそうです。
元データは、2021年2月に20~60代の社会人男女500人を対象としたアンケートの結果です。
調査の仕方によって、結果が変動しそうなので、鵜呑みにはできませんが、ひとつの目安にはなりそうです。

僕も、退職してから開業したので、転職経験者ということになります。
転職を実際に経験してみると、する前と、した後では、考え方が大きく変わりました。
どういう風に変わったかというと、転職前は考え方がかなり「組織寄り」でした。今は、「自分本位」に変わりました。これは「我がまま」「自己中心」とも違って、「個人が生き抜くためには」という意味での「自分本位」です。

退職を決意した時、後ろめたさがかなり有りました。
後ろめたいのは、自分が管理職という組織を担う立場であったこと、その立場を捨てることは「悪いこと」「良くないこと」という組織擁護の考えがあったからだと思います。
今となっては、何故そこまで、組織を庇う考えをしていたのか、不思議に思うことがあります。経営者でもないなら、そこまで考える必要はありません。現場がどうまわるかを考えるのは、組織に残る管理者が考えることです。

退職を最初に誰に言うかは大事です。
相手が感情的な反応を示すこともあるかもしれません。衝撃が波紋のように広がることもあるかもしれません。
上司が適切に処理してくれる上司であれば、それが一番です。
そして、お喋りな同僚には、言わないのが無難でしょう。

個人的には、意思は決めても、周囲が事実を受け止めてくれるまでは、自分自身が勇気を振り絞っている状態が続くと思います。
そんな中、退職を口にしたことで「裏切り」と捉えられないかも気にしたものです。(組織に害を及ぼした訳でもないなら全く気にする必要がありません。)退職を告げる方も幾らか気持ちが不安定となる時が無いとは限らず、自分自身の心のケアも忘れずにいたいものです。

退職に、後ろめたさや、何かしらの否定的感情を感じたり、引きずることは、実は多いのではないかと思います。
特に、長く勤めていると、自分(自我)と組織が一体となるような、勤め先が自分のアイデンティティになる側面はあるのではないかと思います。
また、特に僕より上の世代ともなると、転職に対して否定的な思いを抱いている人が少なからずいると感じます。

故に、自我が組織寄りになってしまうことがあるのではないかと思います。
いわゆるブラック企業では、「今ここで、辞めるようでは、他では通じない」という縛り言葉をよく言うようです。必ずしもブラック企業ではなくても、僕もそのように言われたことがあります。(確かに、本当に忍耐が無くて不味い場合もあるので、全てにおいて肯定する訳にはいかないのは事実です。)
僕自身、人材育成に携わっていたので手塩にかけて教えたつもりでも、辞められるとがっかりします。それでも尚、一つの組織に人を縛り付けて良いかとなると、そうではないと思います。それでは、奴隷となってしまうからです。

勤め先は、残念ながら、社員を一生、面倒を見るようなことはできません。
あくまで、労働の対価として、給与を支払うだけです。つまりは、雇用契約の関係です。それ以上でも、それ以下でもありません。
組織とは、人の出入り(入退職)が避けられません。だから、人が入れ替わっても、同じような機能を保持していくように人材育成や仕組みの整備などの管理運営が不可欠です。組織の側は、それをやるしかないのだと思います。個人的には、ここ10年来は特に人材の流動が激しくなったと思います。その流れに対応するかありません。

どこの組織でもそうですが、就業規則は労働基準法を遵守した内容であり、退職を阻止することはできません。
こちら(Jinjer Blog)によると、立場によって退職届の出し方は異なるようです。それでも一般的な正社員であれば退職の2週間前という規定が多いのではないでしょうか。
以外と多いのですが、勤め先の就業規則を知らない(きちんと読んでいない)という場合です。組織は、法と組織内規定に則った形でしか、(原則)動けないので、これを押さえることは肝心です。

言ってしまえば、組織は組織、自分は自分です。
適切な時期に退職届を出して、退職日が決まって、後は自分の決断に従って動くだけです。せいぜい、「辞め方」に関する組織と当事者の合意形成の協議(例えば、引き継ぎの仕方等)がある位です。
退職は個人の自由、人権に基づく行為です。堂々としていましょう。また、円満であっても、そうではなくても、あくまで可能な範囲での社会通念上の配慮(退職の挨拶、引き継ぎ位しか思い浮かびませんが)があれば十分だと思います。それ以上を負う義務はありません。
むしろ、その後の生活設計、人生設計、具体的な段取りをしっかりと考えておくことの方が大事だと思います。個人的には「引越し」に似ていると思います。転居前の家の片付け、転居後の家探し・準備と同時進行なので、大変さは付き物です。

突き詰めると、その人の人生です。
誰にも、それを邪魔する権限はありません。繰り返しますが、堂々としていましょう。
人生の中の大きな決断をするあなたを応援します。
大丈夫、大丈夫。むしろ、「大丈夫」を作っていきましょう。
退職もまた、「段取り八分、仕事二分」の要領で。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
あなたのミカタ(味方となり、強みを再確認し、見方を再構成し、やり方を一緒に考える)となって、ソーシャルワーク&カウンセリングを駆使して、あなたの今ここからの歩みをお手伝いします。

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