『心は必ず、事に触れて来る』
こんにちは。
この題名は敢えて括弧書きにしましたが徒然草百五十七段の題名です。
筆を取ると、自然に何か書きたくなる。楽器を取れば音をたてたくなる。盃を取ると酒をのみたくなるし、サイコロを手にしていると博打を打ちたくなる。そんなふうに、心というものは、何か物に触れて動き出すものだ。だからかりそめにも、よからぬ戯れをしてはならないのである。
すらすら読める徒然草 中野孝次 著
現代語訳なので非常にわかりやすい内容となっております。
約一千年前の吉田兼行の観察眼の鋭さに射抜かれるようです。
ご覧になられてどんなことを感じるでしょうか。
僕は、その通り、と思います。
元々興味がなかった物事や人物に対して、複数回接触を繰り返すことで、興味を持つようになる心理的現象(単純接触効果)にも似ており
人は関わる相手や環境によって、良くも悪くもなるという、朱に交われば赤くなるの諺にも似ております。
対象に触れておれば、その対象の事柄について行動を起こすようになると言うことだと思います。
とても含蓄のある言葉です。
パソコンを触っていると、ついいろんなサイトを見てしまいます。
「アマゾン」のサイトを見ていれば、必要はなくても物欲がかき立てられ、欲しくて買いたくなります。
報道関係のサイトは感情を刺激して、読めせる工夫が凝らしてあるので、ついつい感情が揺さぶられてしまいます。
だから、ふっと、外の景色を見て、鳥の鳴き声や草木を見ていると、平穏な気分になれます。
確かに、良いことも悪いことも、環境や物や人や雰囲気によって、心は動かされることを実感します。
ソーシャルワーク的に言えば、人は環境とその相互作用の中にあり、何かしら影響を受けたり、及ぼしたりします。
置かれた環境に、心身が影響を受けるのは当然、行動もまた影響を受けるのは必然です。
だから、目先のことで言えば、何に触れて過ごすか、どんな環境で生活するかはとても大事だなと思います。
生活、人生、カウンセリング、いろんなことに応用が効く、示唆に富んだ内容です。
千年近くも語り継がれるのは、人の本質を捉えているからでしょう。古今東西、いろんな人がこの古典文学から学びを得たことと思います。
投稿者プロフィール
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青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
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