援助職のお手入れ

こんにちは。
援助職のためのカウンセリングの結い心理相談室です。

数多いサイトの中から、当事業所の記事をご覧いただきありがとうございます。

本日はこちらのSNS投稿をご紹介します。

この内容にすこぶる同感です。

『殆どの職員が普通のメンタルでただ耐えているだけ』

これは僕個人の経験とも一致します。

僕自身も、「メンタルが強い」なんてことはまったく無くて、むしろ、弱くて、この仕事が務まるだろうかと、最初はそんな心配ばかりしていたと思います。

自分の同僚や後輩や周囲(地域)の援助職を見ても
「メンタルが強い」と思う人なんてほとんどいなかったと思います。

経験を積んで、図太くなったであろう人は何人も見ました...

そもそも、最初から図太い人に援助職が務まるとも思えません...

気持ちが伝わらなかったり
時には嫌がられたり、拒絶されたり
厳しい言葉を向けられたり

それだけで十分に心は心は傷つき
家に帰ってからも痛くて痛くて堪らなくて、のたうち回ったことも何度もありました。

もちろん、経験を積めば
対人の間合いの取り方やかわし方が上手くなり
そうそう深手を負うことも減ります。

それでも、どんなに経験を積んでも
痛い時は、痛いのです。

若い時は、ある意味、まだ良かったかも知れません。

職能経験が浅いだけでなく
人生経験も浅いから、未熟でも仕方がないと前を向けるからです。

しかし、歳を重ねると
同じ「躓き」でも、痛み方が強く感じたりします。

「経験を積んでも、この程度か」

そう思うと、余計に惨めに感じたりしました。

もっとも、どんなに経験を積んだって
人のことなんて、分かるようで、分かりきることなんてできません。
失敗は付き物です。

むしろ分かったつもりでいる方が危険だったりします。

いつでも新鮮な気持ちで人と向き合うことも大事です。

本当に、最初の十年は自分のことばかりで必死すぎて
「援助職のメンタルヘルスが大事」と一般化して考えることはできておりませんでした。

役職に就いて部署を担ったり、部下ができたり
自分よりもうんと若いソーシャルワーカーたちをたくさん見るようになって
やっと気がつきました。

とても大変な仕事で
心を病んでしまう危険がある仕事だからこそ
援助職のメンタルヘルスは大事だと。

今でこそ、援助職のメンタルヘルスについて、特にSNSでは盛んに目にするようになりましたが、個人的にはほんの数年前まで見たこともありませんでした。

こういった機運が高まったことは良いことだと思います。

僕の印象ですが
ソーシャルワーカーは、ひたすら、苦しくても、心が傷んでも、じっと耐えているような方が多いと思います。

健気にも見えますが
そのケアや解消の仕方が分からずにいる可能性もあります。

少なくとも、僕はそうでした。

みんな耐えているはずだから
自分も耐えないといけない
耐えられない自分が弱いんだ...

このような典型的な考えを抱いておりました。

しかし、そうじゃないんだよと伝えたい。

援助は人に関わる繊細な作業で
大なり小なり「巻き込まれ」は発生し
十分に疲弊し、傷つかざるを得ない性質の仕事です。

十分に自分を労わりましょう。

認めたくない気持ちが湧くかも知れませんが、「自分は傷ついている」と受け入れることは大事なことだと思います。

「傷つき」は珍しいことでなく
十分に起こり得ることです。

そんな目線で、自分という社会資源を手入れしていきましょう。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
青森県八戸市を拠点に普段使いのカウンセリング(日常の悩み事)と支援者への支援(援助職のためのカウンセリング)をご提供しております。

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