極意
こんばんは。
亡くなられたサッカーの監督のオシム氏のお話しが大好きです。
物事の深奥を突いていて、それが自身の経験に裏付けられていて、それがサッカーのことだけで無く人生の色々なことに応用が効くほどの深みがあります。
プレジデントオンラインにその記事が載っていて今回も楽しめました。
「ミスをする選手には大きく分けて2通りある。選択肢がいっぱいありすぎて判断が遅れてミスをする選手と、選択肢がなくて判断が遅くなってミスをするやつだ。おまえ、その選手がどちらになるかとか、その違いがわかるか?」
小倉は「いや、わかりません。わからないです」首を横に振るしかない。
「おまえの指示は全部同じなんだよ。選手がミスしたとき、理由は概ね3つある。状況を最後ギリギリまで見極めていたからプレーが遅れて(ミスが)起きたのか、選択肢がひとつしかなくてその判断を潰されたのか。3つめは、選択肢がたくさんあったから判断が遅れたのか。そんなふうに異なるミスをした選手を、おまえは同じように扱っている」
(略)
「そういう選手には、まず何が見えていたかを聞いてやることだ。そこで、選手はこれこれを見たと答えるだろう。ああ、そうかと受け止めてやればいい。次に同じミスをしないためには判断を素早くすることだ。プレーを早くひとつに絞らなくてはいけない設定をしたトレーニングをすればいい」
プレジデントオンライン
これを見て、パソコンに向かって、「そう、そうなんだよ」と言いたくなりました。
僕自身の指導経験の中で、何が見えていたかを訊く(引用の赤文字、太字の箇所)のを大事にしておりました。大事どころか、指導する相手もまた専門職でありプロなのだから、その敬意を払うのは当然でもありました。
僕自身、若い頃、指導を受けた時、なぜその指導をされるのかわからない方法論の提示をされると困惑をすると共に、『僕なりの見方や考え方もあったのだけれども』と思うことはしばしばありました。
だから、まず何が見えていたかを訊くことを当然のようにするオシム氏の適切なコーチングに感心しました。
オシムは普段、コーチらと「レミー」と呼ばれるトランプゲームに興じながらサッカーの話をすることが多かった。かしこまってミーティングをやることはほとんどなかった。
プレジデントオンライン
この話も、個人的に興味を惹かれました。畏まって、打ち合わせをしようとすると堅苦しくなって、自由な意見が出なくなることがよくあります。
意外と「お菓子を食べながら」とか、緩い方がいろんな意見が出たりします。
オシム氏はきっと、経験からそういったことをよく知っていたのでしょうね。
達人の極意に触れるのは楽しいです。
その極意を一から十まで詳らかに解説されると、むしろ興醒めします。だから、少しだけ開示して「これって何だろう」と考えるのが面白くもあり、考える過程がきっと大事なのだと思います。
また次の記事が出るのを楽しみにしております。
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