部署の歴史は知っておいて損はない
こんばんは。
『援助職のためのカウンセリング』の結い心理相談室(青森県八戸市)です。
数多いサイトの中から、当事業所の記事をご覧いただきありがとうございます。
今時、一人職場の医療ソーシャルワーカーは少数ではないかと思います。
必ず、上司や先輩や後輩等がいるはずです。そして、「ソーシャルワーク部門を立ち上げた」という経験を有する大ベテランがいるかもしれません。
初代の方は、所属機関のソーシャルワーク部門を立ち上げて、軌道に乗るまでにたくさんの苦労をしたことと思います。そういった立ち上げの苦労は是非、後世にも伝えておくと良いと思います。
なぜならば、2代目、3代目と若くなるにつれて、今あるソーシャルワーク部門を「あって当たり前」と思い、部署の歴史の意義を知らないでしまう危険があるからです。
もっとも、僕も何代目かあとの立場でしたが・・・。
ただ、自分で部署の立ち上げを経験した時に初めて立ち上げ者の苦労を知りました。組織内でも認知されなかったり軽んじられることもあったかもしれず、たくさんの苦労があっただろうなと思うことはたくさんありました。
自分で立ち上げた部署を他者に引き継ぐようになると、いろいろ齟齬が起きます。
「この業務はやる必要があるのか」等、仕組みに関わる注文?批判?をあとから来た人からいただくことがあります。
また、時には「教わってない」等、文句を言われることがあります。
僕もそう感じたこともたくさんありました。しかし、逆の立場になると、随分と甘えたことを言っていたのではないかとも思うようになりました。
若い部署、若い組織だと、立ち上げるだけで精一杯です。
そのため、系統立てた教育や業務遂行の手順の継承は、どうしても後手になることがあります。
大変なのは若い部署にもかかわらず、若手が一気に入職した場合。
業務遂行で手一杯のため「教育」が疎かになり、中には「育てられた覚えがない」という悲しい苦情が出てくることもあります。
不思議なもので、自分より先にいる人がいると、そに人は教えてくれる、育ててもらえると思い込んでしまいます。
先にいるのが自分より年長者だったら、なおさらそんな期待が湧くでしょうね。また、役職に就いていればそれば義務にもなろうかと思います。
しかし、それが期待通りに、あるいは標準的になされるかどうかとなると別問題だったりします。厳しいかもしれませんが、そんな現実は無いとは限りません。
「先にいる人」だって自分のことで必死でしょうから、「育てられた覚えがない」と言われると悲しくもあり、苦しくもなるでしょうね。
「育てられた覚えがない」
これは「当然、受けられるだろう教育的・支持的・管理的SV」が受けられなかった若手の心の叫び、怒りであろうと思います。
一方、「先にいた立場」の人からすれば、「自分が教育的・支持的・管理的SVを担う」との意識すら希薄で、自分も受けたこともないから分からないという場合もあろうかと思います。
どちらに非があるかと考えると、果てしなく不毛になろうかと思います。
部署の管理者、ないし、それに準ずる立場の方が、どんな認識でいるか、組織内でどんな位置付けの変遷を辿ってきたかを考える必要があるかもしれません。
新人に近い立場の方がそれをするのは難しいかもしれませんが、こういった視点で自分が所属するソーシャルワーク部門をアセスメントするのは大事と思います。
部署の歴史を見ていくと、意外と「良き改善点」が見つかるかもしれません。
投稿者プロフィール
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