もつれた糸の解き方

こんにちは。
援助職のためのカウンセリングの結い心理相談室です。

数多いサイトの中から、当事業所の記事をご覧いただきありがとうございます。

恐縮ですが、他人様の投稿を題材にさせていただきます。
ケアマネの葛藤と苦悩が、とてもよく伝わってきます。

これを言いたくなる気持ちは個人的にはよく分かります。
人間に介入する仕事(援助)をする上で、頻繁に遭遇する状況だからです。

ちなみに、良いとか、悪いとか
見ていて疲れる話はしませんのでご安心ください。

僕は人間関係を考える上で
役割理論の考え方がとても役立つと思います。

説明すると堅苦しくなるので
ご関心のある方は各自お調べになってください。
ごく簡単に言えば、文字どおり、「役割」に対する考え方です。

まず、架空の話と仮定して、通所に行くのを嫌がっているご利用者がいて
それを「説得」するのは、ケアマネの役割だと、ご家族は認識しているようです。

いろいろ課題が見え隠れするのですが
そもそも「説得」してまで、「行かせる」のは意志の尊重の面でどうなのか。

ご家族はご本人と、どんなやり取りをしたのか。
ここが大事ではないかと思います。

そして、行かないことで「誰が」「どのように」困るのか。
ここの混同が、実に多いのです。

手順と段階を経ているのであれば
ケアマネが何かしら、介入する余地はありそうです。

しかし、ご家族内のやり取りをすっ飛ばすのは宜しくなくて、それだと
今後、何かある度に、毎回ケアマネが家族内調整を代行することにもなりかねません。

もし、ご本人とご家族の対話が困難なのだとすれば
肩代わりは、課題を覆い隠すことになりかねません。

もしケアマネの出番があるとしたら、家族内の話し合いがあって
それから「その状況にご本人とご家族が、どう向き合ったら良いかを一緒に考える」
あるかもしれません。

役割に完全に境界線を引くのは難しい側面があります。
しかし、安易に越えてはならない側面もまたあります。

ここでは、「本人とのやり取り」をする役割は「ケアマネがするべき」という
(家族の)役割の誤認(齟齬)があります。

これではケアマネは役割に対して、葛藤を抱えて
最終的に「違うよっ!」と「怒り」が生じてしまう危険があります。

ご家族も、土台無理な役割を当然と認識しては
これからも、互いに葛藤を深める危険をはらんでしまいます。

柔らかい言い方をすれば
お互いに「できること」と、「できないこと」があります。
これをまず認めましょう。

その中で、「誰が優先してやるべきか」という視点があります。
優先する道理については、きちんと履行しましょう。

但し、どうやって履行したら良いかわからない時は
相談して、決めていきましょう。

そうして、ご家族の対応力(介護力)を高めていかれたら最善です。

また、手を尽くしても、どうにもならないこともあるのです。
苦しいかもしれませんが、これも認めましょう。
そうでないと、もっと苦しくなります。

糸がもつれると、余裕がない程に
キーっ💢となってしまうものです。

丁寧に、起きている状況を読み解いて
丁寧に、対応策を検討するしかありません。

絡み合って、解けなくなるほどに
対応が大変になってきますから、小さい違和感の内に役割認識を調整できると良いですね。

援助職とクライエント(システム)の間だけでなく
支援チーム内でも役割認識の齟齬や葛藤は頻発します。

なんか、人間関係でモヤモヤすると思った時
役割に関する考えのズレがないかを疑ってみてはいかがでしょうか。

援助職のストレスがぐっと減るかもしれません。

援助職が今日も、明日も元気で
仕事を続けるために必要なことは何か、と前向きに考えていきましょう。

よろしければご覧ください。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
普段使いのカウンセリング(日常の悩み事)と援助職のためのカウンセリングをご提供しております。

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