安全地帯
こんにちは。
今日の題名は『安全地帯』です。
言葉通りに、安全な場所です。単に物理的な危険が無いだけではなくて、心理的に安心できる場所も安全地帯と言えるのではないでしょうか。
例えば、布団の中、使い慣れたソファ、自分の部屋、自分の家、行き慣れた場所、いつも座っているカフェの席など。
場所が変わるだけで、不安を感じてしまうこともあります。
昔、出張で初めての地域に行って、場所が分からないだけも少し不安になり、慣れない会場、知らない人々、そこでたくさん学び、また、交流もしないといけないと思うと、僕にはかなりと重圧がありました。
きっと、外交的で、社交的な方はこういうのは平気なのでしょう。しかし、僕はこれでかなり消耗します。
だから、宿(ホテル)にチェックインするととても安心できました。
そう言えば、昔、医療機関のソーシャルワーカーだった時、患者さんの自宅訪問には何度も同行しました。自宅訪問の目的は、今の身体状況で安全に自宅で生活できるか(家屋環境評価)、必要なフィードバックを判断するため(リハビリ内容・ケアプラン等)です。
すると、患者さんたちの顔つきが病院にいる時とは全然違ってきます。時に、家の主としての凛々しい顔になったり、慣れ親しんだ家に安心した表情など、さまざまです。
『患者』は「患う者」と書きますが、患う者から、生活者の顔へ変貌します。
どこか口調もハキハキしているような、威厳を漂わす人もいたりします。
環境がその人を変えるという側面があるのだと思います。
慣れない環境にいると、落ち着いているようで、落ち着いていません。
遠出、外泊して帰宅した時の『やっぱり家が一番』という感覚は、多くの方が経験されていることではないでしょうか。
『縄張り』という言葉があります。動物にとっても、人にとっても、自分の勢力が及ぶ領域、転じて、安心できる領域、慣れ親しんだ地域、家、部屋は、それだけ重要だと思います。
ソーシャルワーカー時代の経験ですが、面接室で話をすることの良し悪しがあって、人によっては構えたり、緊張する場合もあります。
僕らにとっては、慣れた面接室、プライバシーが確保された場所でも、人によっては緊張するのも当然です。
カウンセリングにおいても同様でしょう。例えば、医療機関を受診する時、門をくぐる時にはいささかの緊張の高まりがあるかと思います。人によっては、いろいろ話したかったはずなのに、課題を過小に話して、速やかに終えることで心理的安全を図ろうとすることもあるかもしれません。
ちなみに、当事業所では『訪問カウンセリング』を行なっております。実施している事業所はそう多く無いと思われるので宜しければご利用ください。八戸市・階上町であれば交通費はかかりません。それ以外の地域でもご要望があればご相談ください。
人によっては、カウンセリング室でのカウンセリングに緊張を覚える場合もあります。そんな時は慣れ親しんだ場所でのカウンセリングが有効です。また、必ずしも自宅ではなくても、それ以外の場所をご指定いただいても構いません。
安全地帯には、物理的な安全、心理的な安全があり、邪魔が入らない、または、自分が自分でいられる場所といった意味も含まれると僕は考えております。
貴方にはどんな安全地帯がありますか。『うーん、わからない』と思う方がいるかもしれませんが、気付かないだけできっとあるのだと思います。
気が付いていないけれども、自分を支えるたくさんの『安全』の資源によって、きっとここまで歩んで来れられたことでしょう。

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