苦味の美味

こんばんは。

日常の悩み事「普段段使い」のカウンセリングの結い心理相談室(青森県八戸市)です。

数多いサイトの中から、当事業所の記事をご覧いただきありがとうございます。

「徒然」

手持ち無沙汰とか
しんみりと物思いに耽るという意味。

心を落ち着かせるといろいろな言葉が思い浮かぶものです。
人生に対して、人間に対して、心に対して。

心を閑にして、思い浮かんだことを少しだけ、短文調にして。

【今日の徒然】

苦いは美味いか

子供は特に「苦み」を嫌います。

子供の頃、親と寺に行くと住職がよく抹茶を立ててくれました。

あの苦いのが苦手で、大人はどうしてこんなものを飲みたがるのかと思ったものです。

僕はもっぱら、抹茶と一緒に出される茶菓子の方が楽しみでしたが・・・。

大きくなると、あの苦みが茶菓子の甘さとぴったり合うと思うようになりました。

抹茶の苦味。
悪くはない。

そう思い始めたのはいつ頃か。

今では大好きなコーヒー。

幼い頃は、もっぱらコーヒー牛乳でした。

もちろん、砂糖たっぷりで。

親はミルク入り、無糖でしたが、何が美味しいのだろうと不思議に思ったものです。

大人になってから、初めてブラックを飲んでみたら、あれほど苦手だった苦みが、実は美味しいと気付きました。

悪くはない。
いや、もっと飲んでみたい。

成長と共に味覚も思考も変わるんですよね。

転じて、苦みは、「苦い思い出」とか、苦しいことの比喩としても使われます。

人生に苦みなどなかったらいいのに。

大人になる前は、そんなことを漠然と思っていたものです。

ずっと苦しい思いをせず、楽しいことばかりだったら。

今となっては幼い空想でしかありません。

人生に苦みは必要です。

もっとも、願わなくてもやってくる苦みもたくさんありますが。

人生の苦味に直面して、人の苦労とか、人の気持ちというものがよく分かるきっかけになったりします。

また、自分が成長するためにたくさんの鍛錬を経験し、そういったものは往々にして苦しくて、辛いことばかりです。

けれど、人生経験を重ねるほどに、その苦さが無い方がいいとは、不思議と思わなくなります。

なぜなら、苦さと引き換えでなければ、苦さを経てから出ないと得られない成長があると知っているから。

確かに好き好んで、苦い思いはしたく張りません。

しかし、苦みはたくさんの教訓をも、もたらしたりします。

苦みがなかったら、自分はもっと未熟で、もっと幼いままでいたのかもしれない。

そう思うと、ゾッとする思いもあります。

苦いが苦いままで終わらないのは、苦いの意味付けがしっかり出来ているから。

苦みの美味を知るのは、大人の証でもあるのかな。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
普段使いのカウンセリング(日常の悩み事)と援助職のためのカウンセリングをご提供しております。

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