本物の言葉へ
こんにちは。
『何かあったら、いつでもご相談ください。』
お決まりの言葉だが、いろいろと「思う事」がある言葉でもあります。
なぜなら、メールの「よろしくお願いします」くらいに、本来の意味よりも、「あいさつ」の意味が強いからです。
本気で、相手を支援しようと思うほどに、簡単には言えない言葉でもあると思います。
もちろん、悪い意図があって使う言葉ではないのですが。
『何かあったら、いつでもご相談ください。』
これで、本当に困った時に、どれほどの方が頼るのだろうか。
おそらく、人生経験を積むほどに、実際に相談しようと思ったら、聞いてもらえなかったり、相談できる雰囲気がなくて、ためらった経験のある方は少なからずいるのではないでしょうか。
これは、自分の反省も込めてのことです。
「観察」の「察」の「察する」の言葉は、とても重要です。
相手が何かを伝えたがっているのを見落とさずに、下手に間を置かずに声をかけられたら、「いつでもご相談ください」に応えられた状態だと思います。
そうは言っても、実際にはとても難しいことです。
僕は、支援職でありながら、何かあった時に人に相談するのが苦手です。
「自分で解決しなければ」
「人の時間を奪うことになる」
どうしてもそんなことを考えてしまいます。
かつては、人に「いつでもご相談ください」といいながら、自分の時にはそうできないことに、矛盾を感じていたこともあります。
結局、考えすぎると、行動できなくなるようです。
故に、「助けて」「力を貸して」と、速やかに言えることに優ることはないと思います。
「相談させてください」と行動できることに優るものはないと思います。
決して、頼りたくない訳ではない。
話したくない訳でもない。
自分の気持ちがどこにあるのかさえ、よく分からなくなってしまっているのかもしれない。
相談に至る前段階のクライエントの心理は、とても繊細で複雑だと思います。
僕個人としては、特殊な状況下でなければ、「いつでも」は除いて、『何かあったら、ご相談ください。』と言うようにしております。
「いつでも」を入れると、応えられなかった時に、嘘になってしまうからです。
また、常套句と分かっていても、敢えて言い続ける必要があると思います。そして、その機会がやってきた時には、ただのお決まりの言葉から、確かさを感じる言葉へと変貌を遂げていることでしょう。
言霊ではないけれど、言葉と行動が一致して、体現できていることが大事ではないでしょうか。
嘘がないこと。
「言(葉)」が、現実のものと「成」り、『誠』へとなるのだと思います。
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