心地よい余韻
こんにちは。
偶にですが映画をたしなみます。
時代劇ものの映画が好きで、中でも殺陣の場面は好きです。
中井貴一主演の壬生義士伝、柘榴坂の仇討は迫力があって好きです。また、無骨ながらも筋の通った生き方をする男たちの生き様がまた最高です。
他にも、映画版るろうに剣心は有名ですが、なかなか迫力のある殺陣は圧巻です。
それらとは、また一線を画した趣のある「雨あがる」という映画を見ました。
引用:https://eiga.com/movie/34625/photo/
激しい殺陣のある時代劇とは違い、人の生き方、何を大切にして生きるかを描いている映画です。
そのため、殺陣を期待する内容ではありませんが、一応、殺陣の場面はあります。これを見ると、本当に強い人とはこういう人を言うのだろうと思わせる、強さと穏やかさを併せ持つ雰囲気が風流です。
個人的に好きな箇所は二つあります。
一つは、名の知れた剣豪の「辻月丹」が主人公との立ち合いで、あっさりと「参った」と負けを認めたことです。腕で生きている剣士が負けを認めるのは、社会的生命にも関わることであり、容易にできることではありません。
それでも敢えて、自分の手に負えないと見るや「参りました」と言って、終えられるのは当人もまた真に強いからではないかなと思いました。
将棋に「投了」というのがありますが、明らかに無理とわかっていても、ずるずると勝負を続けるのは見苦しいと、素人ながらに思います。
だから、負けを認めるには、周囲の評判や自尊心が激っていたらなかなかできないことであって、負けを認める強さが必要だと思います。
もう一つは、主人公の三沢伊兵衛の生き様です。
主人公はもちろん仕官して落ち付いた生活をしていたいとは思いつつも、それよりも貧しい人々や他者を労わることを優先する優しい心を忘れない人物です。
器用でもなく、むしろ社会的には大成できないかもしれず、その生き様を肯定する妻たよもまた立派です。
見終わった後に「ああ、面白かった」と思える映画も良いのですが、見終わった後に「心地よい風が吹く」ような余韻を残す映画も見事だなと思いました。
見る方によっては、必ずしもそうではないとは思います。それでも、この心地よい余韻を残せる映画はそうそう多くはないのではないかと思ったりします。
万人受けはしないかもしれませんが、少なくとも僕には、得難い内容でした。
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