ハードルを高くしない
こんにちは。
自分の正確な力量を把握するのはとても難しいと思います。
なぜ難しいかというと、さまざまな分野の事柄に一定期間、取り組んでみないと、自分の適性はおろか、本当にその事に対して力量があるのかわからないからです。
例えば、僕はソーシャルワーカーとして、いわゆる「リーダー」の役割、「マネージャー」の役割、「プレイヤー」の役割の三つをさせていただいた経験があります。
プレイヤーの期間(いわゆる現場の実践)が長いですが、客観的評価の指標がないので主観的な物差しで言えば、概ね七から八の間くらいの実績は残せたのではないかと思います。
マネージャーとリーダーは担当した期間が数年と短く、自分が何かできたのか、適性があったのか、正直自分でも分かりません。
プレイヤーとしての評価も本来はそうなのですが、上司や同僚、部下からの客観的評価も含めて判断する必要があると思います。
そして、如何せん、僕はリーダーの役割もマネージャーの役割も、実は好きになれませんでした。理由はたった一つ、僕はどこまでも支援者としてずっとクライアントに向き合って、人が生きるとはどういうことかをずっと探究したいというのが僕のの動機づけであって、それ以上の動機づけを持つことができませんでした。
どこまでも「個人」としてなので、「部署」や「組織」として何かを為すというビジョンをどうしても持ち得なかったということを、担っていた数年間は痛感しました。どちらかといえば、リーダーやマネージャーを支える方に遣り甲斐を感じます。
もしかしたら、もっと続けていたら何かを見出だせていたかもしれませんが、そうでは無い可能性もあります。
自分が更にやり抜くことに対して、強い動機づけを持てなかったことが、既に出ている答えではないかと思います。
少し厄介なのは、リーダーやマネージャーの役割を担うと、自分ではなくて、周囲の自分を見る目が変わります。
「ありのままの僕」ではなく、リーダーやマネージャーであるというだけで、無条件に周囲は敬意を払ってくれます。そして、時々、それを自分の実力と勘違いしそうになるので本当に注意しなければなりませんでした。
率直に、リーダーやマネージャーだから「優秀」とは限りません。そもそも優秀って何なんだろうとすら思えます。
たまたま結果を出せただけかもしれないし、新しい課題に直面して全く成果を残せないこともあります。
個人的には、周りを意識して結果を出すことに囚われるよりも、ただその役割に忠実であれ、ただその役割を全うすることに集中できておればそれで良いのだとは思います。
長々と話してきましたが、何を言いたいかというと、等身大の自分を見失うなということです。
自分が思うよりも、自分は大きくはなく、だからこそ実力不相応に高いハードルを設定しても意味がないということです。
実力以上のことはできず、自分の実力の水準に対して、少し負荷をかけるくらいくらいのハードルがちょうど良いのではないかということです。
このような記事があり、なるほどなと、感慨深くなりました。
そんな中で一流ではない自分がなぜ30年もやってこられたのか。一つ思うのは、いかにハードルを下げるか。それはあると思います。
僕が20代の頃に島田紳助さんから聞いたんですけど、一番エエのは年間8勝くらいのピッチャーだと。20勝してしまうと、それが当たり前になって18勝でも「おい、どうしたんや」となる。でも、8勝なら6勝になってもクビにはならないし、何かの加減で15勝くらいしたら給料がボーンと上がる。
東洋経済オンライン
島田某さんはいわくつきではありますが、実に的を得た言葉を幾つも残しており、芸人として一流だったのだと思います。
また、引用記事の「僕」とはお笑い芸人のココリコ「遠藤章造」氏です。
失礼ながら、賢い印象があまり無かったのですが、すぐ近くに大物がいて、それにもかかわらず自分を見失うことなく、過大評価すること無く、自分を一流では無いと言える所に、彼の真の力を見た気がします。
やはり、取り繕わず、ありのままの自分でいるのが最善でもあり、最強でもあるなと思いました。
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