繋ぎ、紡ぐ

ある文章を書いていたとする。

短くても、長くても、筆の赴くままに書き綴る。

それを複数書いたとする。

もし、その文章を全部繋げたとしたらどうなるか。

書いた内容があまりにバラバラだと、繋ぐこともままならない。

複数の文章の塊を繋ぐために、更に文章が必要になる。

それぞれに関連があって、繋がる必然性があるのだと読み手に示さないといけない。

無意味や矛盾は大敵だ。

整合性を壊してしまうからだ。

文章の塊が繋がるためには

文章の塊に通じる共通点が必要だ。

文章の塊を包含する上位概念が必要だ。

転じて、例えるなら

文章の塊は、自分の一つの時代の括りの物語。

好ましいと思える出来事も

訳が分からない不遇と感じる事柄も

全てが繋がって、意味を持たすためには

どんな繋ぎ文を紡いでいけば良いのだろう。

きっと人は、人生に対して

人生の物語の意味や整合性を欲するのではないか。

少なくとも僕はそうだ。

だから必死になって自分の人生の物語を紡いで繋げようとする。

どんな出来事にも意味があって

納得のいく結末に向かっているのだと思いたい。

出来事に意味を持たせるために

今日も、これからも、必死に繋いで、紡ぐ。

きっとこれは人間らしい行為なのではないか。

人間にしか為し得ない高次な作業だ。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
普段使いのカウンセリング(日常の悩み事)と援助職のためのカウンセリングをご提供しております。

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