一人で集団と対する上での心得

こんにちは。
援助職のためのカウンセリングの結い心理相談室です。

数多いサイトの中から、当事業所の記事をご覧いただきありがとうございます。

「人から試される」って、恐くありませんか。
自分が値踏みされるのは、正直良い気がしません。

と、言うより、悪く査定されることを恐がっているのでしょうね。


例えば、普段、何も気にせずにできる電話応対なども、人から点検されていると思うと
ガチガチに緊張して、しどろもろどになったり...。

しばしば見かける「新人の側で、指導者が逐一点検する」状況が僕は苦手でした。
そうした方が成長は早いのかもしれませんが...やっぱり恐いという気持ちがあります。

MSW業務で、病棟のカンファレンスで医師と看護師から詰められる場面は
その試しの恐怖が極みに達したものです。

詰められる時とは、退院支援が彼らの期待どおりに進んでいない時。
しかし、そうなっているからには相応の事情があるのですが
恐怖に負けると、余計にうまく説明できず、打たれ放しになったこともありました。

画像引用:http://699pic.com/tupian/langqun.html

決して、医療者を悪く言うつもりはないのですが
基本、MSWは一人で、しかも立場が必ずしも強くないので
彼らの前に出る時は、ともすれば☝️こんな状況に等しかったりする。

味方になり得ていれば、心強いのだけれど
こじれると.....結構、恐いのです。

きっと、MSW経験者なら、この気持ちが分かるはず。
そして、今も日本各地でMSWがこの恐怖と戦っているはず。

もっとも、場慣れして、医療者との信頼関係ができると
そこまで事を構えることはありませんが。

ただ、集団の場の雰囲気は、人数が多いほどに制御が大変なのも事実です。

多勢に無勢で相対する時の鉄則。
それは、極力、多勢に無勢の構図にしないこと。

つまり、最初から、和解、合意形成を得ている状態を作ること。
そうすれば、むしろ味方になり、力強く助けてくれる。

事前の仕込みは大事で
何事も、段取り八部仕事二部

どうやってそれをやるか。
集団の中の有力者(大概、主治医や師長級)と、一対一の個別対応をして交渉する。
その時、「ここなら絶対に同意してくれる」という落とし所(土産)を提示するのが大事。

手土産無しには、何事も交渉は上手くできません。
一対一だと、余程の相手や状況でなければ、ある程度の対話は十分可能です。

集団の中の有力者を押さえると、他の人たちは大概、従います。
何だか、本当の戦闘みたいですね。(したことありませんが)

宮本武蔵が、集団と戦う上での心得だと
漫画バガボンドで言っていたような...。

言った所で、実は臆病で打たれ弱い僕。
どちらかと言えば、鉄壁の防御を心掛けておりました。

下手に気持ちがへこんだら
できることも、できなくなるからです。

心が折れたら、仕事どころではなくなります。

枠割りを負っているから、自分を大勢が値踏みしてくるけれど
僕は敵じゃないし、あなた方の利益も当然分かっているよ、と
同じ方向を向いていられるのだよ、と
そう伝えると、大概は協働、信頼関係を作られる。

悲しく、残念なことだけれど
心病んで退職するソーシャルワーカーが多いようです。

職場環境は様々だから、一概に言えないけれど
防御する前に深手を負うのは悲劇以外の何者でもありません。

僕も新人育成をしていた時は
メンタルケアには、細心の注意を払っていたと思います。

やはり、心が痛み、折れてしまうのは
絶対に避けたかったから。

彼らが傷ついていたら
こちらも平静ではいられず、勝手ながら同じように痛みも感じます。

一人で集団と対する上での心得。
きっと、集団のいろいろな場面に応用が利くと思います。

まずはしっかりと防御した上で事に当たりましょう。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
普段使いのカウンセリング(日常の悩み事)と援助職のためのカウンセリングをご提供しております。

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