厩火事
こんにちは。
普段使いのミカタ・カウンセリング&支援者のミカタ・カウンセリングの中田雅也です。
厩火事。
「うまやかじ」と読みまして、落語の演目です。
初めて知ったのは、タイガー&ドラゴンというドラマからです。(ちなみに、Tverで、6月14日(金)まで見られるそうです。よろしければ、ご覧になってください。面白いですよ。)
落語は、人の物語の機微を伝えたり、失敗や見栄など、人のしょうもない面を面白く伝え、時に心に響き、時に笑わせ、昔の話でも今に通じる面白さがあります。それをテレビドラマで再現したのは、なかなか画期的です。
とは言っても、あのドラマ、もう、かれこれ20年前に放映されたものです。
時が経っても色あせず、上手く描けているなぁと、今でも思います。そして、時々、無性に見たくなります。
厩火事(うまやかじ)のあらすじは、こうです。
髪結いで生計を立てているお崎の亭主は文字通り「髪結いの亭主」。怠け者で昼間から遊び酒ばかり呑んでいる年下の亭主とは口喧嘩が絶えないが、しんから愛想が尽き果てたわけではなく、亭主の心持ちが分からないと仲人のところに相談を持ちかける。
話を聞いた仲人は、孔子が弟子の不手際で秘蔵の白馬を火災で失ったが、そのことを咎めず弟子たちの体を心配し弟子たちの信奉を得た話と、瀬戸物を大事にするあまり家庭が壊れた武家の話をする。そして目の前で夫秘蔵の瀬戸物を割り、どのように反応するかで身の振り方を考えたらどうかとアドバイスをする。
帰った彼女は早速実施した結果、夫は彼女の方を心配した。感動したお崎が「そんなにあたしのことが大事かい?」と質問すると、「当たり前だ、お前が指でも怪我したら明日から遊んで酒が呑めねえ」
ウィキペディア
『ぐうたら亭主としっかり者の女房による喧嘩話、しかし心では亭主を愛している女房。そして亭主も・・と思いきや、期待を裏切るオチがこの噺の聞き所。』とは、同じくウィキペディアの解説。
個人的には、上手く人の心を突いた演目だと思います。
いつもの個人的な話ですが
僕は、考え事をいつもしています。悩んでいるのか、考えているのか、心をさまよわせているのか、何かを思い返しているのか...その区別も自分で曖昧です。
内的世界に生きる人間なので、それが普通なのです。そして、時には本当に悩んで、苦悶する時もあります。
そんな時、実はされて困ることがあるのです。
一つは、本気で心配されてしまうこと。
いやいや、心配してくれるのはありがたいことでしょ。他人のことなら、僕もそう言います。しかし、自分ごととなると、そうは思えません。
なぜなら、最初から最後まで、じっくりと考え抜きたいから。あんまり心配されると、その事に気を取られて集中できなくなるのです。心配していただいた気持ちもむげにはできないから、そうなってしまいます...。
申し訳ないが、放っておいてくれると助かります。そんなことを僕の近くにいる人に言ったこともあったような気がします。
本当に困ったり、力が必要だったら、きちんと言うから。
だから、お前に心配されたら、お前のことが心配で安心して悩めねぇ。
もう一つは、僕の身近な人が何かしらの深刻な悩み事、問題を抱えること。
自分のことばっかり、考え、悩んでいる僕でも、身近な人のことは、当然、心配なのです。
タイガー&ドラゴンの話じゃないですが、重篤な病気にでもなられたら、普段楽しめることも、普段できていることも、手につかなくなります。
だから、勝手なことだけれど、僕の身近にいる、僕の大事な人には、ずっと平穏無事でいて欲しいと、心から願うのです。
そうじゃないと、お前が病気でもしたら、お前のことが心配で安心して悩めねぇ。
安心して悩む。
悩みに集中する。
変な言い回しかもしれませんが、悩むにも、悩むための環境が必要なのです。
そうじゃないと、落ち着いて悩めねぇ。
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