「閉じる」と「開く」

こんにちは。
普段使いのミカタ・カウンセリング&支援者のミカタ・カウンセリングの中田雅也です。

集中している時。
それは、基本的には一点だけを見つめている時。

例えば、文字を読む、話を聞く、物を作る、対象物に神経を注いでいる時。
そんな時は、目先の作業以外の感覚は閉じている。

自分の周囲がどうなっているかなど、他のことを気にすることは基本的にはできない。
集中するほどに、他のことが盲目と言って良いくらいに見えなくなる。

いろいろなことが気になって、心が忙しく、慌ただしい時。

敢えて、単純作業的なことをすると良いかもしれない。
例えば、単純な片付けや掃除、歩く、走る、など。

無心に作業をすれば、他のことが目に入らなくなる。
作業が終わってしまえば、また思い出すかもしれないけど、それでも余計なことを忘れていられる時が僅かでもあることは助けになる。

集中している時って、考えているというよりは、無心に近い。
反射で動いている訳ではないけれど、自分が居ると言う感覚すら無くすほどに対象物に没頭する、一体化するような感じ。

こちら(プレジデント)に『一般的に何かに集中してその作業に取り組んでいるような時に、新しい着想が生まれたという話はあまり聞かない。』とあるけど、そうかもしれない。

『集中していない時にこそアイデアは湧いてくる』とかいてあるけど、これもよく分かる。
ぼーっとしている時ほど、頭が自由に、泳ぐように活動していて、いろいろなことが思い浮かんでくる。

昔、死ぬほど忙しかった時。
新幹線に乗って、山間を通過していた時。

あまりの雪景色の美しさにハッとして、何故か分からないけど涙が出そうになったことがある。
それは、単に感動だったのか、ただただ仕事に没頭している自分に気付いて衝撃を受けたからなのか...。

きっと、この時は、長期間にわたって、ずっと仕事に集中していたのだと思う。
業務時間以外も、仕事のことが頭から離れず、休んでいるようで休めていない状況だったのかも。

外の景色を見て、初めて、集中が解かれ、五感で周囲にあるものを感じ取れたのかもしれない。

休んでいるようで、休めておらず、集中状態がずっと続いている状態って、どれほど疲労していることだろうか。
あの時は、体調も悪かったけど、「寝ても、なかなか疲れが取れない。年かな。」と呑気に考えていたと思う。

思えば、ちょっと、危険な状態だったかも。
集中は、限られた時間だけするものだ。

集中を解かずに、解けていない事にも気づかないでいるのは、危険だ。
集中している時は、他の感覚を閉じている時。

集中を解くには、他の感覚を開く必要がある。
集中を解くには、僕が雪景色を見たように、五感を使って、感覚を開く状況が必要なのかもしれない。

自宅と仕事場の往復だけでは、それは難しいのかもしれない。
だから、休みの日には、普段行っていない所に行って、集中を解く(他の感覚を開く)のが良いと思う。

個人的には、田舎育ちの田舎住まいなので、自然の景色が一番だ。
今は、つつじがちょっとずつ咲いているようだ。

この間は雉の鳴き声を聞いた。
ああ、春だなと思う。

今しか味わえない春の自然を、五感を開いて味わおうと思う。

大切な集中を解く時間。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
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