指示を出す勇気

こんばんは。
普段使いのミカタ・カウンセリング&支援者のミカタ・カウンセリング 中田雅也です。

管理職、という訳ではないけれど、係長という役職に就いた時は緊張しました。

中でも、「人に指示を出す」のは、勇気が要りました。
全ての指示が、ということではないのですが、内容によっては、この指示で本当にいいのか、どうしても悩みます。
これは、職位が上がっても付き物です。

上司の悪口を言わなかった人は、果たしているのでしょうか。
僕は、そういうのは好きではないけれど、言わずにはいられなくて愚痴ったことは何度もあります。

あの指示は、訳がわからない(妥当ではない)
やる意味があるのかな
やりたくないんですけど

今度は自分が言われる番がやってきたのかと思うと、ちょっと怖かったりします。

元サッカー選手の中田英寿氏の言葉。
僕は絶対に監督はやらない。
選手が監督の言うことを聞かないことはよく分かっているから。

こんなことを言っていたと思います。
少しだけ、この気持ちが分かります。

僕も生意気だった時分
「上司の指示はああだけど、自分の考えの方が絶対に正しい」
そう思ったことが何度かありました。

ある時、その上司から
「俺のこと莫迦にしているだろ」と直接言われ
却って、僕の方がしどろもどろになった事がありました。

そこまでは思ってはおりませんでした。
しかし、その上司からすると、そう感じていたと言う事ですね。

その上司の気持ちは、やがて僕自身、嫌と言うほど味わっていくこととなります。
顔色をうかがう訳ではないけれど、指示を出した後の表情を見ると、納得しているかどうかは一目瞭然です。
本人は隠しているつもりでも、意外と伝わっております。

しかし、それ自体に腹を立てることはありませんでした。
上司と部下の関係はそんなもの、という割り切りもありました。
何より、自分もそうだったから、人のことは言えないね、との思いもありました。

アドラー心理学の有名な言葉です。

これは上司と部下の関係にも当てはまると思います。
指示に対する私的感情は相手の課題です。

上司は、必要な指示を下さねばなりません。
その全てに部下が納得するとは限らず、土台無理なのだと思います。

それでも、せめて、なぜその指示を下すのか。やる意義は何なのか
そういった目的や必然の部分はできる限り添えるようにはしました。

それで理解してもらえるとも限りませんが、言うべきを言わないことの方が問題です。

僕が考える、指示を出す上で、大事なことは三つ。

  • きちんとした根拠や理由があること(思いつきは御法度)
  • 指示を一歩通行で言うのではなく、相手の受け止めも尋ねる(考えを訊く)
  • 指示の内容にやましさがなく、正々堂々としていられること(結果的に、何かを言われても安易に引き下がることもない)

これができている時は、「怖さ」や「勇気」を引っ張り出すまでもなく、自然と指示を出せていたと思います。

指示を出すには、上記挙げたような内容が上司自身の中で練られていると、自ずと威厳のような雰囲気を醸し出すようになると思います。
そして、人は(部下は)、そういったものを敏感に感じると思います。

上司は一日にして成らず。
ゆっくり、一つずつ悩んで、考えて、成長していくのだと思います。

上司の皆さん、大丈夫ですよ。
一歩ずつ、しっかりと、歩んでいきましょう。

投稿者プロフィール

中田 雅也
中田 雅也結い心理相談室
あなたのミカタ(味方となり、強みを再確認し、見方を再構成し、やり方を一緒に考える)となって、ソーシャルワーク&カウンセリングを駆使して、あなたの今ここからの歩みをお手伝いします。