到達者の光景
こんにちは。
中国の故事に木鶏というものがあります。なかなか考えさせられる内容につき以下に引用します。
故事では紀悄子という鶏を育てる名人が登場し、王からの下問に答える形式で最強の鶏について説明する。
紀悄子に鶏を預けた王は、10日ほど経過した時点で仕上がり具合について下問する。すると紀悄子は、 『まだ空威張りして闘争心があるからいけません』 と答える。
更に10日ほど経過して再度王が下問すると 『まだいけません。他の闘鶏の声や姿を見ただけでいきり立ってしまいます』 と答える。
更に10日経過したが、 『目を怒らせて己の強さを誇示しているから話になりません』 と答える。
さらに10日経過して王が下問すると 『もう良いでしょう。他の闘鶏が鳴いても、全く相手にしません。まるで木鶏のように泰然自若としています。その徳の前に、かなう闘鶏はいないでしょう』 と答えた。
ウイキペディア(木鶏)
この故事を用いて語った有名な武芸者は相撲の双葉山、白鵬と言われます。
闘鶏が題材でもあるため武芸者の真髄としては打ってつけだと思います。
人が何かに励む時、気負いすぎることがありますが往々にして良い結果は出ません。
次に少し成果が出て満足したり、怠慢になったり高慢になったりすることがありますがその状態では下り坂に入るのは時間の問題です。
その次の段階があるとしたら、冷静に淡々と為すべきを為して、心は揺らがずの状態ではないかと想像します。淡々といつも通りの動きをして打席に立つイチロー選手が頭に浮かびます。こちら(sportiva)に大業を成すまでにイチローが積み重ねた日々の物語の一部が載っておりますが、木鶏の話にしろ完成までに積み上げたものの大きさと多さを感じずにはいられません。
一流の結果を残した人々を到達者と呼んでよければ、彼らの目にどんな光景が見えているのだろうか、さらには木鶏の目に見えている世界をぜひ覗いてみたいものです。
到達者の光景とは果たして・・・。

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