特別な関係
こんにちは。
普段使いのミカタ・カウンセリング&支援者のミカタ・カウンセリング 中田雅也です。
きみのバラが、きみにとってかけがえのないものになったのは、きみがバラのために費やした時間のためなんだ
星の王子さま
「星の王子さま」の王子は、王子の住んでいる星に一輪だけ咲く「バラ」と喧嘩して、旅をしました。
物語の終盤、王子さまは、美しく咲き誇るバラの庭にたどり着き、驚きます。
王子の星のバラは「世界にバラは自分しかいない」と言っていたからです。それなのに、たくさんのバラが存在しておりました。
自分はこの世にたった一つの花を持っているつもりだったけれど、実はそれはありふれた、ごくごく当たり前のバラの花で、大したものではなかったのだと気付きました。
しかし、「キツネ」は言いました。・・・それが、上記の言葉です。
人との関係、絆。それは「目には見えない」ものです。
王子は、「ぼくは、バラの花の面倒を見なくちゃいけないんだ。あの花は、とても弱い上に、世間知らずなんだから」と言って、星に帰ります。
普段、一緒いる(身近にいる)大切な人との関係に置き換えてみても良いかもしれません。
星の数ほど、人は存在します。
しかし、自分と深い関係のある人は、その中でも特別な存在になります。替えの利かない「あなた」になります。
そんな風になれたのは、絆を結ぶ時間の積み重ねがあったから。
きっとそれは、親子、夫婦、友人、仲間など、いろいろな所に見出だせると思います。
僕の父も、「ハナ」も亡くなりましたが、この関係もきっとそうだと思います。
「ハナ」を飼い始めた時、僕は別世帯だったので「犬を飼い始めた」としか、最初は思っておりませんでした。
いろいろ粗相をするハナを、僕は「困った奴だ」と少し冷ややかに見ていたこともありました。だから、僕にとっては、「父に飼われたペット」でしかありませんでした。
でも、父にとってはそうではありませんでした。小さく「家族なんだ」と呟いたことがありました。
口数の少ない父がこぼした言葉には、本当はそれ以上の意味があったと思います。残念なことに、当時の僕にはそれを受け止め、理解する力がありませんでした。
けれど、あれから10年以上が経っても、父とハナがいなくなっても覚えているのは、あの場面に「何か」を感じたからだと思います。
父とハナの間の目には見えない大切なものは、確かにあったのです。
「ぼくは、バラの花の面倒を見なくちゃいけないんだ。あの花は、とても弱い上に、世間知らずなんだから」と、父が言い、ハナもまた思っていたかも。
そして、僕も、子供が大きくなって、親元を離れてから、思うことがあります。
「ぼくは、バラの花の面倒を見なくちゃいけないんだ。あの花は、とても弱い上に、世間知らずなんだから」の言葉は、子供が小さい時の僕の思いだったなと。
あの時間は、仕事も忙しく、子供も手がかかって大変だったけど、とても幸せな時間だったな、と。
限られた時間の中でしか味わえない時間。二度と取り戻せない時間。
人って、いろんな所で、大切な絆を結んでいるのだろうな、と思います。
大変だとか、面倒だとか思うことはあっても、それも絆の一つの側面です。
特別な関係。
今ある特別な関係を、ほんの少しでも、できる範囲でいいから、大切にしてみようかな。
投稿者プロフィール
-
青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
普段使いのカウンセリング(日常の悩み事)と援助職のためのカウンセリングをご提供しております。
最新の投稿
- 援助職のためのカウンセリング(2024.7.1〜)2024年11月21日聞き手ファースト
- 普段使いのカウンセリング(2024.7.1〜)2024年11月20日騙されたと思って、5分だけ
- 援助職のためのカウンセリング(2024.7.1〜)2024年11月19日減り張りをつけて
- 普段使いのカウンセリング(2024.7.1〜)2024年11月18日一歩、踏み出した人