プレイヤーとマネージャーの差異(二)
こんにちは。
プレイヤーとマネージャーの差異について、プレイヤーは直接自分で動いて業務を為します。
一方、マネージャーは、自分では直接に事に当たらず、プレイヤーを介して、業務を遂行してもらいます。
いわば、間接的工程です。
スポーツ競技に例えると、監督やコーチのようなものです。実際、彼らが直接にプレイはしないはずです。
稀に、選手権監督のような位置付けの人がいるかもしれませんが、あくまで例外、稀だと思います。
一番は、現場の最前線で目となるのはプレイヤーですが、プレイヤー集団(部署全体)を俯瞰して捉えて、今何を為すべきかを広く捉えるのは、マネージャーの役割です。
だから、マネージャーが、プレイヤーの作業をしている内は、集団(部署)全体を把握する人がいない状態に陥ります。
プレイヤーは、現場担当するが故に、時間がいくらあっても足りない時間的な忙しさを感じます。
一方で、マネージャーは全体を把握して、方針を立てる仕組み上、頭の中が忙しい、という状況となります。それ故、マネージャーは、時間的に(気持ち的にも)余裕を持っていないと、全体の把握が困難となります。
時々、「管理職は椅子に座っているだけで」と非難されることがありますが、指揮官としては、それが正しいです。そうでなければ、安心して、業務報告をすることもままならなくなります。忙しそうな上司に報告はしづらいのは当然です。
暇そうに見えて、いつでも声がかけられ、それでいて管理ができているなら、それは優秀な管理職の証拠だと僕は思います。
こちら(logmi Biz)に、『上司の役割は「管理職」ではなく「支援職」』であると書かれております。
個人的には、強く賛同します。
実際、支援職(援助職)としてのソーシャルワーカーを見ると、ソーシャルワーカーは物理的支援そのものをクライエントに対して行うというよりは(することもありますが)、クライエントが利用するサービスに結びつけることが多く、この間接的工程が非常に重要です。
管理職も、プレイヤーの内なる力を強めたり、業務が遂行しやすい環境を作ったり、部署外と折衝したり、組織外との調整を図ったり、道筋を整えることは大事な役割です。
そういったことからも、支援者としての管理職という見方は、とても理に適っていると思います。
個人的に、『実践知 -- エキスパートの知性』という書籍を推薦します。
個人的にはとても参考となりました。
ここでは、管理職は部署のリーダーとして、方向性を提示する、組織目標を意識した戦略性やバランス感覚を持つ、管理職は構造上、メンバーに依存しつつ、裁量権を持ちながら事に当たる、次世代を意識した人材育成といった実践知について触れております。
詳細は、よろしければご覧いただくとして、この本の中で管理職とは単に昇進や出世ではなく、ビジネスの『熟達、発達』の過程だと言っている所が個人的には心に響きました。
キャリアマネジメントという考え方がありますが、一つの職域において、自分の経歴、職位役割をどう作っていくか、マネージャーとなっていった先の業務が如何なるものかが、社会に、組織に共有されていると、少しは心構えがしやすいのだと思います。
投稿者プロフィール
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青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
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