当たり前は作られ、維持されて、今に至る
こんにちは。
よく日本人の有給休暇の消化率は諸外国と比べてとても低いと言われます。
僕が過去に居た医療、福祉業界は基本的に忙しい業界で、特に交代勤務で部署全体の予定が組まれている所は、なおのこと、取得しにくいかもしれません。
かく言う僕も、祝日の交替勤務による代休を本来は消化しなければならないのですが、消化出来ずに山のように溜まり、有給休暇どころでなくなったことがありました。
基本的に、上司が休まないと、部下は自分もやらなければいけないと感じてしまう傾向はあると思います。出来るなら、上司こそ有給を定期的に消化して、それが当然という職場文化を作っていくべきだと思います。
有給休暇と聞くと、フランス人の「バカンス」を思い出します。
聞けば、年に二週間から四週間は休みがあるそうで、まるで大人の夏休みのようですね。こんなに休みがあったら、何をして良いかわからないという位に、日本人は休みが下手だと思います。
それでいて、労働生産性は日本よりも高いそうなので驚きです。
そのフランスは、今年の春頃に、年金制度改革に反対して、激しいデモが起きました。
ストライキやデモが珍しくなった日本では、驚かれる光景かもしれません。僕も、昔ならそう思ったでしょう。ただ、今は考え方が変わり、自分たちの権利を必死で守ることは正しいと思うようになりました。
これは勤めていた時はどうしても理解出来なかったのですが、多忙極まる生活から少し離れて、自然に触れる機会が増えたためか、人はあくせくせず、出来る限り、ゆとりをもって生きるのが良いと思うようになりました。
もちろん、忙しい時はあります。怠けて良いということでもありません。それでも、ゆとりを持ち、適切に働くと、意外と良い仕事が出来るのだということに気付きました。
だから、体を壊してまで、無理して働くことが、良くないけれどやむを得ないみたいな考えがまだまだ多いのは、改善しなければいけないと思うようになりました。
こちらの東洋経済オンラインの記事はとても参考になりました。
過重労働は、うつの大敵です。それでも過重労働をせざるを得なかったのは、人が足りない、自分がやるしかないという善意に駆られたからこそだと思います。
しかし、フランスでは、人手不足だからこそ休むべきで、本格的に壊れることのないようにとの考えが根底にあるそうです。僕は、この考えにすこぶる同感です。僕も、仕事依存に陥るほど働いた結果として、そう思います。
ちなみに、今から約九十年前、フランスで長期休業が法制化された時は、反対の声が多かったそうです。
つまり、今の当たり前は、過去に蒔かれた種が実った結果であり、それを人々が懸命に維持してきて、強固にされたということです。
人々の、特に国家単位での慣習は育むのに時間を要するとは、なんとなく想像がつきます。九十年かけて、育み、人々の心身の健康、より良い人生の在り方を守ってきたのでしょうね。
最近、コンビニでも夜間は閉店している店舗をちらほら見かけます。
僕は、それは有りだと思います。人手の確保も容易ではないだろうし、夜勤自体が体にも堪えるので、夜もずっと営業しているというのは、決して当たり前でないと思います。
無理に二十四時間営業をするよりも、その店が、その地域で息が長く営業を続けて、コンビニもいまや大事な社会基盤ですから、人々や地域のために在り続けてもらった方が良いのではないかと思います。
あくまで、個人の考えですが。
そんな訳で、当たり前は、当たり前ではありません。
人々にとって在るべき姿は、勇気を持って改変して作っていき、時間をかけて維持して、改善を加えたりして、育まれるのだと思います。
息が長く、心身ともに健やかに在り続けるには、どんな在り方が最善なのかな。そう考え続けることが大事なのだと思います。
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