どの段階の充足が必要か
こんばんは。
『人間の悩みは突き詰めるとお金と人間関係に行き着く』と言われることがあります。
最近では、そこに『健康』『将来』を付け加える動きもあるようです。
簡単に手に入れられるものではありませんが、考えを整理したり、行動を整えることで、より良い状態に向かうことはできるはずです。
まずは何が満たされると良いのか、マズローの欲求五段解説はそれを考える手段として役に立ちます。
過去記事でも紹介したことがありますが、内容についてはこちらの解説(やさびと心理学)をご参照ください。
マズローは病人ではなく健康な人を調べ、健康的な心の持ち主は、自分の欲求を満足させていることを突き止めました。
裏を返すと「欲求が満たされないこと」が人の心を病気にするとも言えます。
例としてですが、SNSでカウンセリングや心理学等について情報を収集していると、思いの外に、人間関係において傷ついている方が多いと感じます。
攻撃的な言動にさらされる、そこまではいかなくても、雑に扱われる、または、大事にされないなど。
攻撃的な言動となれば、もはやハラスメントであり、安全の欲求が充足できない状態だと思います。身体的な安全から、心理的な安全まで、そして、客観的に深刻な場面もあれば、客観的に認識されなくても当人にとって脅かされる(充足されない)場合があると思います。
「雑に扱われる」は、安全欲求の範囲でもあり、また、社会的欲求の範囲のことでもあります。社会的欲求は、集団の一員でありたい・社会から必要とされたいという欲求です。上記引用分の中に『社会的欲求に、愛情が含まれているところもポイントです。マズローは愛の欲求について、「与える愛と受ける愛の両方を含むことを見逃してはならない」としています。』と言っている内容も重要です。
下位の基本的欲求から、一つ一つ充足されれば、上位の自他の評価にかかわる承認欲求、そして、「理想の自分になりたい」という自己実現の欲求に行き着きます。
下位の領域ほど、環境への介入が必要という意味でソーシャルワークの要素が強く、上位に近づくほどカウンセリングとコーチングの要素がより濃くなると個人的には思います。
物質的欲求(生理的欲求・安全欲求)にかかわる事項は、公的な福祉機関や医療機関・その他相談機関などが対応して力を発揮することが多い領域ではないかと思います。しかし、内容によっては、全てを網羅することは困難です。
公的制度等の利用をするほどでもないが、心理的支援の需要があり、方針(作戦)を立てて現実に対処するのであれば私的なカウンセリング機関等でも十分に対応はできるでしょう。また、必要に応じて公的機関に繋ぐこともあり得るでしょう。
特に上位になる程に、私的カウンセリング機関等の出番になると思います。
『悩みがある』『問題がある』という言い方も、『充足したい欲求がある』と言い換えることができます。
より良い状態となるために。
(ご自身が)充足が必要と感じられる事項がどの段階のものであるかを意識してみると、より自分の状態が客観視できて、『自分は○○のためにカウンセリングを受けたい』と能動的に行動できるかもしれません。
自己を制御できて、自ら必要な事項を充足させるために行動することは、自律度を高めることに繋がり、それ自体がひとつの自己実現に向かうものだと思います。
『どの段階の充足が必要か』をご自身なりにまず考えてみるのも有益なことと考えます。
投稿者プロフィール
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青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
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