感情の伝染
こんにちは。
感情は伝染すると聞いて、なんとなくわかると思う方もいるかもしれません。(「わからない」という方もいるかもしれませんが)
他者が発する特定の感情を知覚することで自分も同じ経験をした気分になる現象を「情動感染(伝染)」といいます。
産業保健新聞
ストレスフルな人の近くにいると、自分までストレスを抱え込むようになります。元気のない人と一緒にいると、こちらも元気がなくなってきます。その一方で、いつも心の穏やかな人と一緒にいると、こちらまで癒されます。これは、ヒトだけでなく、社会性動物に広く認められている現象で、「感情の伝染(Emotional Contagion)」と呼ばれています(Emotional Contagion: A Brief Overview and Future Directions. Front Psychol. 2021; 12: 712606)。
ドクターヒロのリアル・サイエンス
怒っている人の近くにいるとなぜか自分もイライラすることがありました。
落ち込んでいる人の近くにいるとなぜか自分もそんな気分になったことがありました。
穏やかで静かな微笑みをたたえる人の近くにいると自分も静かで穏やかな気持ちになれたことがありました。
どうやらきちんと根拠のある現象のようですね。
余談ですが『ワンちゃんはヒトの顔や声を聞くだけで、そのときのヒトの感情を感知することができます(Dogs recognize dog and human emotions. Biol Lett. 2016;12(1):20150883)。』『ワンちゃんはいつもヒトの顔を覗き込むようにして見ています(家族の関係まで分かっている)。』ともありました。(引用:ドクターヒロのリアル・サイエンス)
同じような感情になるだけでなく、その影響も受けてしまいます。
どこで読んだが忘れた話ですが『不機嫌は無言の暴力。機嫌よくいることは重要。』という話を聞いたことがあります。それは理に適ったことです。
決して怒ってはいけないとか、落ち込んではいけないということではなく、程度問題があるということ、周囲に影響があるということをお伝えしたかっただけです。
実際、肯定的な感情よりも否定的感情の方が伝播しやすいことが分かっているそうです。
感情は伝染するので負の感情は適度に制御して、また巻き込まれないようにすれば、より良い状態を維持できるのではないでしょうか。
投稿者プロフィール
-
青森県八戸市・階上町を中心にカウンセラーとして活動しています。また、電話・オンラインカウンセリングもご利用いただけます。
普段使いのカウンセリング(日常の悩み事)と援助職のためのカウンセリングをご提供しております。
最新の投稿
- 普段使いのカウンセリング(2024.7.1〜)2024年11月22日自分の置かれた状況と闘う
- 援助職のためのカウンセリング(2024.7.1〜)2024年11月21日聞き手ファースト
- 普段使いのカウンセリング(2024.7.1〜)2024年11月20日騙されたと思って、5分だけ
- 援助職のためのカウンセリング(2024.7.1〜)2024年11月19日減り張りをつけて